初七日法要を終えた後、玉緒はこう語っている。
「もう一度生まれ変わっても勝新太郎と結婚したい。そういう人でした。私も子供たちも、幸せでした」
玉緒にとって葬儀は、最愛の夫のために用意した人生最後の大舞台だった。
参列者の心を打つ挨拶で故人を送ったのは、松田優作さん(享年40)の妻・松田美由紀(58才)。葬儀の際に涙ながらに「優作は精一杯頑張りました。皆さん、心の中で優作のことを忘れないでください」と、全身の力を振り絞るように挨拶し、会場の涙を誘っている。
終活ソーシャルワーカーの吉川美津子さんが言う。
「ここ最近、エンディングノートなどに“火葬だけでいい”といった記述があり、その通りに葬儀を行ったら、その後の親戚づきあいがギクシャクしたという“トラブル”が増えています。故人の遺志と残された側の気持ちの擦り合わせが大切で、家族葬と書いてあっても近い親戚には声をかけるなど、臨機応変な対応は必要です」
最愛の伴侶をどう見送るべきなのか──。その“答え”は、夫婦の数と同じだけあるのかもしれない。
※女性セブン2020年9月17日号