B子さんは突然のことに驚いたが、ママ友同士は交流があっても、夫のことまではよく知らない。反応に躊躇していると、密会をしていたとされる夫の妻が一言、「夫だわ」と書き込んできた。
「でも、ご主人の浮気を知るのと、家庭内の不和がママ友たちにバレるのが同時というのは、けっこうしんどいと思うんですよ。なのであるとき、写真をあげたママ友に『みんなにバラさなくてもよかったんじゃない?』と言ってみたんです。
そうしたら、『彼女はいつも、子供やご主人、家の自慢ばかりしていて鼻についていたから、釘を刺してやったのよ』ですって…」(B子さん)
いまでも、撮影者のママ友はLINEグループで経過報告を求め続け、当の本人は「特に問題ないわよ」とだけ答えているという。
こうしたママ友間のLINEいじめに、特効薬はないと教育ジャーナリストの松本肇さんは言う。
「学校でのいじめは教師や親に相談できる。会社でのパワハラやセクハラは上司や専門窓口、労働基準監督署などに行けばいい。でも、ママ友コミュニティーにはそうした駆け込む場がありません。
夫に相談してもそれくらい我慢すればと言われるし、弁護士に相談するほど大事にはしたくない。そして、何より子供にまで影響が広がるくらいなら自分が耐えればいいと思ってしまいます」
スマホの向こうにいる生身の人間を追い詰めるLINE上での“場外乱闘”。スマホを覗く自らの顔の醜さに気づく日が、一日でも早く来ることを願うばかりだ。
※女性セブン2020年9月17日号