「COEDO 瑠璃」(コエドブルワリー)
ラガーとエールの違い
対談中にも登場したビールの「スタイル」。ビールには100種類以上のスタイル(醸造様式)があり、大きく「ラガー」と「エール」に分類される。以下にその特徴を紹介しよう。
【ラガー】下面発酵酵母を使い、熟成期間はエールより長い。すっきりした味わいが特徴。
〈スタイル例〉
・ピルスナー……日本の大手メーカーをはじめ、多くの国で一般的なビアスタイル。
・デュンケル……色はダークだが、すっきり飲めるラガータイプ。
【エール】上面発酵酵母を使い、高めの温度で発酵する。熟成期間はラガーより短い。豊かな香りと複雑な味わいが特徴。
〈スタイル例〉
・ペールエール……イギリス発祥。ホップを多く使うIPA(インディア・ペールエール)、ベルギーの酵母を使うベルジャンIPA、ニューイングランドIPA、アメリカ産ホップを使う銅色のアンバーエールなどもこの一種。
・セゾン……季節を意味。ベルギー伝統のスタイル。
・ホワイトエール……柑橘系でスパイシーな味わいが特徴。
・ヴァイツェン……小麦を多く使うドイツ伝統のスタイル。へーフェヴァイツェンは酵母を濾過していないものを指し、濁りがある。
・スタウト……ローストした大麦を使う。インペリアルスタウトもこの一種。
【プロフィール】
◆藤原ヒロユキ/1958年生まれ、大阪府出身。ビアジャーナリスト。ビールを中心とした食文化に造詣が深く、メディアで活躍。国際ビアジャッジとして海外で審査員も務める。
◆加治正慶/1965年生まれ、愛知県出身。世界各国の審査会やカンファレンスで年間5回以上審査員を務め、海外各地で日本のビールを紹介する講演も行なう。
◆古賀麻里沙/1987年生まれ、福岡県出身。合格率5%程度という日本ビール検定1級を持ち、ビール講座の講師なども務める。「ビールおねえさん」として活躍中。
◆大宮勝雄/1950年生まれ、東京都出身。フランスなど海外での修業を経て、1982年に地元浅草で洋食レストランを開店。テレビの料理番組などでも活躍する。
※週刊ポスト2020年9月18・25日号
◆撮影/中庭愉生