「ねこにひき」(伊勢角谷麦酒)
藤原:クラフトビールはもはや従来のビール観には収まらない領域にあると考えています。「麦からできた醸造酒」くらいの大きなくくりで、後はもう何をしてもいいと私は思っています。基本的にホップは必要とは思いますが。
古賀:苦味と香りを司るホップは熱を加えると苦味が強くなり、工程の最終段階で加えるとビールの香りがより強くなります。2回に分けてホップを入れる商品もありますね。
大宮:ところで、今回登場したペールエールはどんな意味?
加治:直訳すると「淡いエールのビール」。ビールの作り方はラガーとエールに大別され、エールは割と高い温度で発酵させるので、ピルスナーなどのラガーよりも香りが豊かになります。ざっくり言うと、ペールエールは豊かな香りがさらに複雑になるイメージですね。
古賀:クラフトビールは多くの種類がありますが、初心者の方にはどれがおすすめですか?
藤原:今回の中では「COEDO 瑠璃」がいいですね。従来のビール観から外れておらず、レベルも高い。クラフトビールを知る入り口に適していると感じます。私の協会調べでは、日本のクラフトビール醸造所の数は436(6月現在)に上ります。読者の方々には好みの銘柄をぜひ見つけていただきたいですね。
加治:私からのアドバイスとして、ビールは買ってきてすぐ飲むより、1日静かに置いたほうが味が安定して美味しくなります。明日飲むビールは今日考えましょう!(笑い)。