国内

スガノミクスの罠 財界にべったり、経営難の零細企業は冷遇

庶民派のイメージは偽りだったのか(写真/AFP=時事)

 庶民の味方の“値下げおじさん”──。菅義偉・新首相が語った政策から浮かんでくるのはそんなイメージだ。

「日本の携帯料金は世界でも圧倒的に高い水準だ。私は4割は下げられると提案している」。それを聞いた国民は、“庶民派の菅さんならやってくれそうだ”と期待した。ところが、雲行きが怪しくなってきたのは、総裁選最中の消費税をめぐるこの発言だった。

「将来的なことを考えたら、国民の皆さんにお願いして消費税は引き上げざるを得ない」。翌日に慌てて「今後10年間くらいは上げる必要はない」と修正したものの、もしかすると菅首相は“増税おじさん”なのではないか――という不安を国民に抱かせた。経済アナリストの森永卓郎氏が指摘する。

「菅氏は庶民派のフリをしているが、政策は財界、大企業べったり。安倍政権の法人税減税や外国人労働者の受け入れ拡大など、経団連の要望を汲んだ政策を実質的に取り仕切ってきた人物です」

 言われてみれば、菅氏の消費増税論は、消費税率が10%に引き上げられた直後の2019年11月、経団連が「消費税率10%超への引き上げも有力な選択肢の一つ」として、国民的議論の喚起を提言(*注)した内容と一致する。

【*注/経団連「経済成長・財政・社会保障の一体改革による安心の確保に向けて」】

「私は菅政権で2つのことが起きると考えています。日本が重税国家になることと、中小零細企業がどんどん潰れて日本経済の転落が加速することです。国民は菅さんの庶民派の仮面に騙されず、スガノミクスの正体を見極める必要がある」(森永氏)

 これからどんな“苦しみ”が国民を待ち受けているのか。

関連キーワード

関連記事

トピックス

WEST.中間淳太(37)に熱愛が発覚、お相手は“バスり”ダンスお姉さんだ(右・Instagramより)
《スクープ》“夢の国のジュンタ”に熱愛発覚! WEST.中間淳太(37)が“激バズダンスお姉さん”と育む真剣交際「“第2の故郷”台湾へも旅行」
NEWSポストセブン
事件に巻き込まれた竹内朋香さん(27)の夫が取材に思いを明かした
【独自】「死んだら終わりなんだよ!」「妻が殺される理由なんてない」“両手ナイフ男”に襲われたガールズバー店長・竹内朋香さんの夫が怒りの告白「容疑者と飲んだこともあるよ」
NEWSポストセブン
4月は甲斐拓也(左)を評価していた阿部慎之助監督だが…
《巨人・阿部監督を悩ませる正捕手問題》15億円で獲得した甲斐拓也の出番減少、投手陣は相次いで他の捕手への絶賛 達川光男氏は「甲斐は繊細なんですよね」と現状分析
週刊ポスト
第一子となる長女が誕生した大谷翔平と真美子さん
《左耳に2つのピアスが》地元メディアが「真美子さん」のディープフェイク映像を公開、大谷は「妻の露出に気を使う」スタンス…関係者は「驚きました」
NEWSポストセブン
防犯カメラが捉えた緊迫の一幕とは──
「服のはだけた女性がビクビクと痙攣して…」防犯カメラが捉えた“両手ナイフ男”の逮捕劇と、〈浜松一飲めるガールズバー〉から失われた日常【浜松市ガールズバー店員刺殺】
NEWSポストセブン
和久井学被告と、当時25歳だった元キャバクラ店経営者の女性・Aさん
【新宿タワマン殺人・初公判】「オフ会でBBQ、2人でお台場デートにも…」和久井学被告の弁護人が主張した25歳被害女性の「振る舞い」
NEWSポストセブン
竹内朋香さん(27)と伊藤凛さん(26)は、ものの数分間のうちに刺殺されたとされている(飲食店紹介サイトより。現在は削除済み)
「ギャー!!と悲鳴が…」「血のついた黒い服の切れ端がたくさん…」常連客の山下市郎容疑者が“ククリナイフ”で深夜のバーを襲撃《浜松市ガールズバー店員刺殺》
NEWSポストセブン
遠野なぎこ(Instagramより)
《愛するネコは無事発見》遠野なぎこが明かしていた「冷房嫌い」 夏でもヒートテックで「眠っている間に脱水症状」も 【遺体の身元確認中】
NEWSポストセブン
ブラジルを公式訪問されている秋篠宮家の次女・佳子さま(2025年6月4日、撮影/JMPA)
「佳子さまは大学院で学位取得」とブラジル大手通信社が“学歴デマ報道”  宮内庁は「全報道への対応は困難。訂正は求めていません」と回答
NEWSポストセブン
花田優一が語った福田典子アナへの“熱い愛”
《福田典子アナへの“熱い愛”を直撃》花田優一が語った新恋人との生活と再婚の可能性「お互いのリズムで足並みを揃えながら、寄り添って進んでいこうと思います」
週刊ポスト
生成AIを用いた佳子さまの動画が拡散されている(時事通信フォト)
「佳子さまの水着姿」「佳子さまダンス」…拡散する生成AI“ディープフェイク”に宮内庁は「必要に応じて警察庁を始めとする関係省庁等と対応を行う」
NEWSポストセブン
まだ重要な問題が残されている(中居正広氏/時事通信フォト)
中居正広氏と被害女性Aさんの“事案後のメール”に「フジ幹部B氏」が繰り返し登場する動かぬ証拠 「業務の延長線上」だったのか、残された最後の問題
週刊ポスト