菅氏は横浜市街を見下ろす億ション住まい
謄本を見ると購入時に住宅ローン保証会社の7000万円の抵当権が設定されている。そのわずか3年後の1995年には抵当権が抹消され、ローンを完済。「3年で7000万円返済」とは庶民にはなかなか難しい計画だ。
横浜市議の議員報酬は政令都市で最も高いことで知られ、年収は約1500万円だが、報酬を全額返済に充てたとしても3年では届かない。しかも、菅氏は1995年の市議選には出馬せず、1年間の“浪人生活”を送った後、翌1996年の総選挙に神奈川2区から出馬して大激戦の末、初当選した。巨額のローンを返済しながら、総選挙の費用もしっかり用意していたのである。
代議士3期目の2004年には、それまで借りていた横浜市南区の事務所の建物と土地(約210平米)を取得。購入価格は「約5700万円」(前出の不動産業者)と見られ、地元銀行の3000万円の抵当権が設定されていたが、この借り入れも3年後に完済している。
総務大臣時代の2007年2月には、3軒目の不動産として現在の住居であるタワーマンションの新築分譲物件を購入。市議初当選から20年で、億ションと高級マンション、3階建ての事務所の不動産を所有した。その後、元の自宅マンションと事務所は売却している。ファイナンシャル・プランナーの斎藤岳志氏が語る。
「菅氏の不動産投資の収支を試算すると、7000万円程度で購入した最初のマンションは売却時には相場が半値以下に下がって損失が出たはずです。しかし、5700万円程度で買った事務所の土地は1億円近くの評価がついたと思われます。差し引きで収支トントンかややプラスですが、現在所有するタワマンは横浜でも最高級の物件で相場は2倍近くにあがっている。投資と考えると大きな含み益を得ている」
こうして2億円を超える資産が形成された。
※週刊ポスト2020年10月2日号