ビジネス

進化する高速道路のSA・PA コロナ禍でもリニューアル着々

人気店が集まり、まるで駅ナカ施設の「pasar(パサール)」

人気店が集まり、まるで駅ナカ施設の「pasar(パサール)」

 コロナ感染拡大に伴う人の移動制限が徐々に解除され、9月19日から始まる4連休は久々にクルマで遠出を予定している人も多いだろう。いま、高速道路にあるSA(サービスエリア)とPA(パーキングエリア)は、単なる休憩ポイントではなく、敢えて立ち寄りたい人気スポットになっている。そんなSA/PAの進化の歴史と新潮流について、モータージャーナリストの鈴木ケンイチ氏がレポートする。

 * * *
 高速道路にあるSAとPAには、レストランやフードコートが用意されています。最近では、どこのSAやPAにも、独自の凝った料理が用意されていますが、20年も時代をさかのぼれば、まったく状況が変わります。

 その昔の高速道路のSA/PAの料理は、どこに行ってもメニューと価格は同じで、さらに味までも同じだったのです。なんとなく同じではありません。定期的に検査が入り、厳格に味が統一されていたのです。これは、当時のSA/PAは日本道路公団という公的機関、つまりお役所が運営していたのが理由です。

 彼らとしてみれば、「全国、どこで利用しても均一。平等なサービスを提供する」という考えがあったのです。確かに、まだまだ自家用車が珍しい存在で、高速道路の利用もスタートしたばかりの時代には、そうした均一なサービスが求められていたのでしょう。しかし、バブルの好景気時代を経て、人々の舌が肥えてくればニーズも変化します。

 そんな日本道路公団に一大転機が訪れたのは、2005年の民営化です。ここで方針は一転。民間らしく、SAやPAごとに個性を出して競争しようとなったのです。ここから、徐々に食事の質は高まってゆきます。毎年のようにSAとPAの料理コンテストが開催され、料理人やスタッフのモチベーションも高まります。さらには、有名チェーン店やコンビニなどの参入も相次ぎ、気が付けば今のような大盛り上がりのSA/PAができあがってきたのです。

地域によって差別化が鮮明になっている高速道路のサービスエリア

地域によって差別化が鮮明になっている高速道路のサービスエリア

関連記事

トピックス

愛子さま
【愛子さま、日赤に就職】想定を大幅に上回る熱心な仕事ぶり ほぼフルタイム出勤で皇室活動と“ダブルワーク”状態
女性セブン
テレビや新聞など、さまざまなメディアが結婚相手・真美子さんに関する特集を行っている
《水原一平ショックを乗り越え》大谷翔平を支える妻・真美子さんのモテすぎ秘話 同級生たちは「寮内の食堂でも熱視線を浴びていた」と証言 人気沸騰にもどかしさも
NEWSポストセブン
岡田監督
【記事から消えた「お~ん」】阪神・岡田監督が囲み取材再開も、記者の“録音自粛”で「そらそうよ」や関西弁など各紙共通の表現が消滅
NEWSポストセブン
【海外旅行】“安い国”の住民が“高い国”に行くのは至難の業! 庶民でも「現実的に行ける国」としてタイ・ラオス・チェコ・トルコに注目
【海外旅行】“安い国”の住民が“高い国”に行くのは至難の業! 庶民でも「現実的に行ける国」としてタイ・ラオス・チェコ・トルコに注目
マネーポストWEB
嵐について「必ず5人で集まって話をします」と語った大野智
【独占激白】嵐・大野智、活動休止後初めて取材に応じた!「今年に入ってから何度も会ってますよ。招集をかけるのは翔くんかな」
女性セブン
行きつけだった渋谷のクラブと若山容疑者
《那須2遺体》「まっすぐ育ってね」岡田准一からエールも「ハジけた客が多い」渋谷のクラブに首筋タトゥーで出没 元子役俳優が報酬欲しさに死体損壊の転落人生
NEWSポストセブン
不倫騒動や事務所からの独立で世間の話題となった広末涼子(時事通信フォト)
《「子供たちのために…」に批判の声》広末涼子、復帰するも立ちはだかる「壁」 ”完全復活”のために今からでも遅くない「記者会見」を開く必要性
NEWSポストセブン
前号で報じた「カラオケ大会で“おひねり営業”」以外にも…(写真/共同通信社)
中条きよし参院議員「金利60%で知人に1000万円」高利貸し 「出資法違反の疑い」との指摘も
NEWSポストセブン
イメージカット
「有名人なりすまし広告」の類に\"騙されやすい度\"をチェックしてみよう
NEWSポストセブン
二宮が大河初出演の可能性。「嵐だけはやめない」とも
【全文公開】二宮和也、『光る君へ』で「大河ドラマ初出演」の内幕 NHKに告げた「嵐だけは辞めない」
女性セブン
品川区で移送される若山容疑者と子役時代のプロフィル写真(HPより)
《那須焼損2遺体》大河ドラマで岡田准一と共演の若山耀人容疑者、純粋な笑顔でお茶の間を虜にした元芸能人が犯罪組織の末端となった背景
NEWSポストセブン
森高千里、“55才バースデー”に江口洋介と仲良しショット 「妻の肩をマッサージする姿」も 夫婦円満の秘訣は「お互いの趣味にはあれこれ言わない」
森高千里、“55才バースデー”に江口洋介と仲良しショット 「妻の肩をマッサージする姿」も 夫婦円満の秘訣は「お互いの趣味にはあれこれ言わない」
女性セブン
JR新神戸駅に着いた指定暴力団山口組の篠田建市組長(兵庫県神戸市)
【ケーキのろうそくを一息で吹き消した】六代目山口組機関紙が報じた「司忍組長82歳誕生日会」の一部始終
NEWSポストセブン