「チャラ漫才」で知られるお笑いコンビ・EXITが報道番組のレギュラーMCになって約半年が過ぎた。『ABEMA Prime』(ABEMA)の月曜担当MCはカンニング竹山、火曜は小籔千豊とケンドーコバヤシが隔週で担当し、水曜日は乙武洋匡氏、金曜日は西村博之氏で、社会派ネタに強いイメージのあるベテランが揃う。そんな中、木曜日はEXITのりんたろー。(34才)と兼近(29才)の2人が務める異色の曜日となっている。
番組のプロデューサーは「木曜日だけは別の番組のようなものです。EXITのお2人には自由にやっていただきたい」と語る。「ニュースなんてあまり見ていなかった」(兼近)というが、今、彼らは「報道の意義」「若者とニュース」について何を思うか。2人にインタビューした。
――約半年、MCをやったことになりますが、りんたろー。さんは、最初にこの話が来た時どう思いましたか?
りんたろー。:単純にびっくりしましたよ! 「そういう時代が来るんだァ~!」と思いました。なんせ、ぼくらは“チャラ男”でスタートしているんです! だから「盛り上がっていこーぜ、パーリーピーポー!」「おあとがヒィウィーゴー」「BBQ(ビービーキュー)ぶちかますぜ!」とかやっているわけで、そんなノリの芸人が子供の番組もお昼の情報番組もできると思っていなかったんです。でも、こうした「無理だ」と思っていたことが1つずつ叶っていった……。今回の報道番組のメインMCってのは、“意外な仕事”においては最上級です。だからこそ「MCもさせてもらえるの? がんばらなくちゃ……。で、オレら大丈夫?」という気持ちがありました
――とはいっても、EXITは漫才でコロナを解説したり、時事ネタも盛り込んでいるから、なんとかなるとは思わなかったのですか?
兼近:「ネタでニュースの番組をやったら……」という漫才は作っていましたし、舞台でも披露してきました。あれはあくまでも芸の「振れ幅」を出すのが目的だったんですよね。あくまでもニュースをチャラいネタにして、芸の幅を広げようとしていたら現実になってしまった――。ボケでやっていたのに、そのボケが現実になっちゃったんですよ。こんな何でもアリな時代なんですよね。自分があまりニュースを見なかったし、周囲の人もそういう人が多い。だったら、ニュースを見ない人がMCをやったらどうなるのだろうか、ということは真面目に考えました。
りんたろー。:ぼくらが選ばれた理由についても考えました。だって、あまりニュースの深層とか知らないし、気の利いたコメントだってできないですよ。そう考えたら、番組開始初期の目的は、ぼくらのファンとかニュースと縁がない人を近づけることだと決めました。それをしつつ、ぼくらなりの見解を元にコメントできればいいなと腹をくくりました。ぼくらもアベプラ(『ABEMA Prime』)をきっかけに、ニュースや社会を考える時間が作れればいいですよね。まずはニュースに触れていくことが大事だと考えるように、気持ちを変えていきました。