国内

内ゲバ絶えぬ野党 立憲民主は剛腕小沢氏の合流でまとまるか

小沢氏の剛腕が野党の体質を変えられるのか(写真/共同通信社)

小沢氏の剛腕が野党の体質を変えられるのか(写真/共同通信社)

 野党は9月の自民党の首相交代をチャンスとみて立憲民主党と国民民主党が合流に動き、一応、民主党以来となる衆参150人という大勢力の新党「立憲民主党」が出現した。しかし、だからといって国民から支持を得られるわけではない。野党が政権を取れない最大の理由は、その“内ゲバ”体質だろう。

 野党は民主党以来、意見が違う相手を排除し、分裂を繰り返して勢力を小さくしていった。民主党事務局長を務めた政治アナリストの伊藤惇夫氏は手厳しい。

「民主党政権ではまず鳩山由紀夫総理が下ろされ、菅直人内閣ができると小沢一郎氏の排除に動き、次は菅おろし。野田内閣では旧社会党の排除がありました。

 野党に転落後は、希望の党旗揚げにあたって枝野氏の勢力が排除され、希望が選挙に負けると今度は排除した側の細野豪志氏を追い出す。

 今回の野党合流も大同団結といいながら、国民民主党の代表として合流協議にあたった玉木雄一郎氏らが離脱した。党内で手続きを踏んで決定したことでも、後で反対する。組織としてのガバナンスが効かないし、学習能力もない」

 大胆な妥協で意見の違う勢力を結集させる。それができるのは誰なのか。

 この立憲民主には、当選17回の小沢一郎氏と当選14回の中村喜四郎氏という保守系の長老たちが加わった。“内ゲバ”体質を変えることができるのは、小沢氏だろう。

 小沢氏は「壊し屋」と呼ばれるが、その剛腕で理念も政策もバラバラな政党を強引に結びつけてきた。野党8党派をまとめて細川連立政権を樹立、その後は公明党まで取り込んで新進党を結成し、民主党時代は“水と油”の社民党、国民新党と組んで鳩山政権をつくった。

 保守政治家の小沢氏には、野合と言われようと“選挙に勝つため”“政権を獲るため”に一時的に勢力糾合するのは当たり前。目的達成後すぐバラバラになるから結果的に「壊し屋」に見える。

 果たして、小沢氏はその豪腕を見せつけることができるのか。

※週刊ポスト2020年10月16・23日号

中村喜四郎氏の教えが野党をどう強くするか(時事通信フォト)

演説する枝野氏(時事通信フォト)

関連キーワード

関連記事

トピックス

2014年に結婚した2人(左・時事通信フォト)
《仲間由紀恵「妊活中の不倫報道」乗り越えた8年》双子の母となった妻の手料理に夫・田中哲司は“幸せ太り”、「子どもたちがうるさくてすみません」の家族旅行
NEWSポストセブン
詐称疑惑の渦中にある静岡県伊東市の田久保眞紀市長(左/Xより)
《大学時代は自由奔放》学歴詐称疑惑の田久保市長、地元住民が語る素顔「裏表がなくて、ひょうきんな方」「お母さんは『自由気ままな放蕩娘』と…」
NEWSポストセブン
遠野なぎこ(本人のインスタグラムより)
《自宅から遺体見つかる》遠野なぎこ、近隣住民が明かす「部屋からなんとも言えない臭いが…」ヘルパーの訪問がきっかけで発見
NEWSポストセブン
大谷翔平(時事通信)と妊娠中の真美子さん(大谷のInstagramより)
《大谷翔平バースデー》真美子さんの“第一子につきっきり”生活を勇気づけている「強力な味方」、夫妻が迎える「家族の特別な儀式」
NEWSポストセブン
詐称疑惑の渦中にある静岡県伊東市の田久保眞紀市長(HP/Xより)
田久保眞紀市長の学歴詐称疑惑 伊東市民から出る怒りと呆れ「高卒だっていい、嘘つかなきゃいいんだよ」「これ以上地元が笑いものにされるのは勘弁」
NEWSポストセブン
東京・新宿のネオン街
《「歌舞伎町弁護士」が見た性風俗店「本番トラブル」の実態》デリヘル嬢はマネジャーに電話をかけ、「むりやり本番をさせられた」と喚めき散らした
NEWSポストセブン
横浜地裁(時事通信フォト)
《アイスピックで目ぐりぐりやったあと…》多摩川スーツケース殺人初公判 被告の女が母親に送っていた“被害者への憎しみLINE” 裁判で説明された「殺人一家」の動機とは
NEWSポストセブン
遠野なぎこ(本人のインスタグラムより)
《女優・遠野なぎこのマンションで遺体発見》近隣住民は「強烈な消毒液の匂いが漂ってきた」「ポストが郵便物でパンパンで」…関係者は「本人と連絡が取れていない」
NEWSポストセブン
記者が発行した卒業証明書と田久保市長(右/時事通信)
《偽造or本物で議論噴出》“黄ばんだ紙”に3つの朱肉…田久保真紀・伊東市長 が見せていた“卒業証書らしき書類”のナゾ
NEWSポストセブン
JESEA主席研究員兼最高技術責任者で中国人研究者の郭広猛博士
【MEGA地震予測・異常変動全国MAP】「箱根で見られた“急激に隆起”の兆候」「根室半島から釧路を含む広範囲で大きく沈降」…5つの警戒ゾーン
週刊ポスト
盟友である鈴木容疑者(左・時事通信)への想いを語ったマツコ
《オンカジ賭博で逮捕のフジ・鈴木容疑者》「善貴は本当の大バカ者よ」マツコ・デラックスが語った“盟友への想い”「借金返済できたと思ってた…」
NEWSポストセブン
米田
《チューハイ2本を万引きで逮捕された球界“レジェンド”が独占告白》「スリルがあったね」「棚に返せなかった…」米田哲也氏が明かした当日の心境
週刊ポスト