また、大麻の有害性に関する最新の知見では、大阪大学大学院の研究グループが、大麻の有効成分である「カンナビノイド」 が大脳皮質の神経回路の破綻をきたす事実を発見している。これは世界で始めて大麻の摂取が脳に悪影響を与えることの科学的根拠を明らかにしたもので「脳の発達に障害を与えるため、特に若い世代に影響が大きいと」と研究者はコメントしています。
現在流通している大麻はカンナビノイドが高濃度化しており、大変危険です。中枢神経に作用する薬物は非常に複雑なメカニズムを持っており、一面だけを捉えてメリットがあるなどの議論に発展させることは乱暴極まりない。
そのうえ、大麻が他の違法薬物への入り口、いわゆる「ゲートウェイドラッグ」になっていることも忘れてはいけません。
検挙した大麻被疑者の3~4割は他の薬物へ移行、または併用しています。移行先は覚醒剤が最も多く、そのほかコカイン、LSD、MDMAと進んでいる。一旦、大麻に手を出した者は、まるでレストランでメニューを品定めするかのように、他の薬物を注文して使用しているのが現状です。
大麻の解禁を訴える人たちはよくアルコールや煙草の危険性を主張しますが、それぞれで議論するものであり、大麻と比較するものではありません。海外と比べることも意味がない。日本と海外では薬物を取り巻く環境が全く違います。アメリカでは毎年数万人が薬物乱用で死亡しています。一部の国の大麻政策を単なる嗜好目的のために評価し、それを模倣すれば取り返しのつかない事態を招く可能性があります。