国内

罰当たりな泥棒が増加の背景 農産物や賽銭、給水バルブまで

賽銭泥棒など罰当たりな犯罪が増えている(イメージ)

賽銭泥棒など罰当たりな犯罪が増えている(イメージ)

 とくに明文化されていなくても、なんとなくタブーに触れるため忌避されることがある。手間暇かけて育てたものや作ったものを奪うことや、願いを込めて神仏に供えられたものを盗むことなどは「罰当たり」なこととして、窃盗犯であっても避けられることだった。ところが、最近は、その「罰当たり」なことが増えている。ライターの森鷹久氏が、これまでの「常識」が通用しなくなり始めた犯罪の傾向についてレポートする。

 * * *
 埼玉県東部の白岡市やその周辺自治体で、不可思議な事件が発生している。

「まったく何だって、こんなものを盗んでいくかね? 頭にくるよ」

 こう憤るのは、自身の田んぼから、真鍮製の給水用バルブを盗まれたという男性(70代)。仲間の田んぼ、周辺自治体でも先月ごろから同じような「被害」が続出しているという。事件を取材した大手紙社会部デスクがいう。

「真鍮には高価な銅が含まれており、鉄業者などに売ることできる場合があります。周辺で起きた盗難事件は手口も似通っており、同一人物らによる組織的犯行ではないかと当局も見ています」(大手紙社会部デスク)

 埼玉県内では、畑から野菜や果物が盗まれたり、隣の栃木県や群馬県では、豚などの家畜が何者かによって盗まれている。これまでにも農作物泥棒はあったが、その規模の大きさが前代未聞と言われる被害が相次いでいる。一部メディアは、こうした犯行に、コロナ禍によって仕事や収入を失った外国人らが関与しているのではないかと報じており、給水用バルブがいっせいに盗まれたのも同じ系統の犯罪かと考えてしまうが……。

「野菜や家畜についてはそうした疑惑もありますが、田んぼからバルブを盗むというのが日本人の仕業の可能性が高い。何しろ、野菜や家畜と違って、専門業者に買い取ってもらう必要がありますからね」(大手紙社会部デスク)

 さらに、寺社仏閣に設置してある「賽銭箱」荒らしが、全国で頻発しているともいうニュースについても「関連がある」という見方が出てきている。

「直近だと、岩手と愛知で賽銭泥棒があったとニュースになりましたね。昔から、不景気になるとこの手の窃盗が増えるのです。小学校や中学校に設置してある水道の蛇口が全部なくなっていたり、橋の名前が書いてある橋名板が盗まれたり、マンホールがなくなっていたこともあります」(大手紙社会部デスク)

関連記事

トピックス

不倫が報じられた錦織圭、妻の元モデル・観月あこ(時事通信フォト/Instagramより)
《結婚写真を残しながら》錦織圭の不倫報道、猛反対された元モデル妻「観月あこ」との“苦難の6年交際”
NEWSポストセブン
国民民主党から参院選比例代表に立候補することに関して記者会見する山尾志桜里元衆院議員。自身の疑惑などについても釈明した(時事通信フォト)
《国民民主党の支持率急落》山尾志桜里氏の公認取り消し騒動で露呈した玉木雄一郎代表の「キョロ充」ぷり 公認候補には「汚物まみれの4人衆」との酷評も出る
NEWSポストセブン
永野芽郁のマネージャーが電撃退社していた
《永野芽郁に新展開》二人三脚の“イケメンマネージャー”が不倫疑惑騒動のなかで退所していた…ショックの永野は「海外でリフレッシュ」も“犯人探し”に着手
NEWSポストセブン
“親友”との断絶が報じられた浅田真央(2019年)
《村上佳菜子と“断絶”報道》「親友といえど“損切り”した」と関係者…浅田真央がアイスショー『BEYOND』にかけた“熱い思い”と“過酷な舞台裏”
NEWSポストセブン
「松井監督」が意外なほど早く実現する可能性が浮上
【長嶋茂雄さんとの約束が果たされる日】「巨人・松井秀喜監督」早期実現の可能性 渡邉恒雄氏逝去、背番号55が空席…整いつつある状況
週刊ポスト
発見場所となったのはJR大宮駅から2.5キロほど離れた場所に位置するマンション
「短髪の歌舞伎役者みたいな爽やかなイケメンで、優しくて…」知人が証言した頭蓋骨殺人・齋藤純容疑者の“意外な素顔”と一家を襲った“悲劇”《さいたま市》
NEWSポストセブン
6月15日のオリックス対巨人戦で始球式に登板した福森さん(撮影/加藤慶)
「病状は9回2アウトで後がないけど、最後に勝てばいい…」希少がんと戦う甲子園スターを絶望の底から救った「大阪桐蔭からの学び」《オリックス・森がお立ち台で涙》
NEWSポストセブン
2人の間にはあるトラブルが起きていた
《浅田真央と村上佳菜子が断絶状態か》「ここまで色んな事があった」「人の悪口なんて絶対言わない」恒例の“誕生日ツーショット”が消えた日…インスタに残された意味深投稿
NEWSポストセブン
フランスが誇る国民的俳優だったジェラール・ドパルデュー被告(EPA=時事)
「おい、俺の大きな日傘に触ってみろ」仏・国民的俳優ジェラール・ドパルデュー被告の“卑猥な言葉、痴漢、強姦…”を女性20人以上が告発《裁判で禁錮1年6か月の判決》
NEWSポストセブン
ホームランを放った後に、“デコルテポーズ”をキメる大谷(写真/AFLO)
《ベンチでおもむろにパシャパシャ》大谷翔平が試合中に使う美容液は1本1万7000円 パフォーマンス向上のために始めた肌ケア…今ではきめ細かい美肌が代名詞に
女性セブン
ブラジルへの公式訪問を終えた佳子さま(時事通信フォト)
《ブラジルでは“暗黙の了解”が通じず…》佳子さまの“ブルーの個性派バッグ3690レアル”をご使用、現地ブランドがSNSで嬉々として連続発信
NEWSポストセブン
告発文に掲載されていたBさんの写真。はだけた胸元には社員証がはっきりと写っていた
「深夜に観光名所で露出…」地方メディアを揺るがす「幹部のわいせつ告発文」騒動、当事者はすでに退職 直撃に明かした“事情”
NEWSポストセブン