スポーツ

女子アスリート盗撮 金儲けされた上に写真が拡散される構図

木南道孝記念陸上競技大会では、会場でスタッフが手に持つ無許可での撮影禁止を示す看板を掲げていた(時事通信フォト)

木南道孝記念陸上競技大会では、会場でスタッフが手に持つ無許可での撮影禁止を示す看板を掲げていた(時事通信フォト)

 インターネット上で勝手に画像を使用され、しかもポルノグラフィにされてしまう事例は以前から存在していたが、撮影とネット利用が手軽になるに従って被害が拡大している。その状況にストップをかけるべく、女子アスリートたちからの訴えを受ける形で日本オリンピック委員会(JOC)が実効性のある対策を目指すことが明らかになった。ライターの森鷹久氏が、競技会場で撮影した写真を「わいせつ」と受け止める目的のコミュニティに投稿し続ける撮影者の本音を聞いた。

 * * *
 日本オリンピック委員会(JOC)が、女子選手が競技会場で性的な意図を持って撮影された写真や動画がネットで拡散され、そこにわいせつなコメントが付けられる「被害」があるとして対策に乗り出すとニュースサイトなどで報じられた。一般人には何が起こっているか、字面だけではわかりにくいが、関係者からは悲痛な声が漏れ聞こえる。

「競技会場での盗撮行為はだいぶ前からありました。しかし最近は、盗撮された写真や動画がネットに上げられ拡散され、より多くの人の目に晒される。ある女子大学生の競技者は、試合中に臀部の写真を盗撮され、ネット上に何十枚もアップされたことで競技自体を辞めてしまった。誰かがそういう目で見ていると思うと、競技に集中できないばかりか、常に監視されているのではないかという強迫感情にも悩まされました」

 こう話すのは、ある大学スポーツの連盟関係者(50代女性)。その競技では、大会では新聞社や雑誌などのメディアのカメラマンや選手の親族などだけではなく、アマチュアカメラマンが選手を撮影する場合もある。ほとんどの場合は、競技や選手のファンだから、という理由でカメラを構えているに違いないだろう。しかし中には性的な視点から選手を盗撮しようとする不届き者も存在する。そういった人々は、昨日今日、急に現れたわけではなく、まだデジタルカメラがなかったころ、昭和の時代にもいた。だが、彼らは誰もが閲覧できる場所へ写真を投じるようなことはなかったのである。

 しかし「ネット」がある今日では、盗撮者たちはまるで自慢でもしあうかのように、競って「盗撮写真」をネットに上げまくる。例えば、ネット上のとある「画像掲示板」には、女子スポーツ選手の競技中の写真、それもプレーとは一切関係のない、体の一部に寄った写真ばかりが何十枚と投稿され、閲覧ユーザーらが「素晴らしい」「もっと見たい」と投稿者に賛辞を送っているのだ。

関連記事

トピックス

なかやまきんに君が参加した“謎の妖怪セミナー”とは…
なかやまきんに君が通う“謎の妖怪セミナー”の仰天内容〈悪いことは妖怪のせい〉〈サントリー製品はすべて妖怪〉出演したサントリーのウェブCMは大丈夫か
週刊ポスト
グラビアから女優までこなすマルチタレントとして一世を風靡した安田美沙子(本人インスタグラム)
《過去に独立トラブルの安田美沙子》前事務所ホームページから「訴訟が係属中」メッセージが3年ぶりに削除されていた【双方を直撃】
NEWSポストセブン
阿部詩は過度に着飾らず、“自分らしさ”を表現する服装が上手との見方も(本人のインスタグラムより)
柔道・阿部詩、メディア露出が増えてファッションへの意識が変化 インスタのフォロワー30万人超えで「モデルでも金」に期待
週刊ポスト
エンゼルス時代、チームメートとのコミュニケーションのためポーカーに参加していたことも(写真/AFP=時事)
《水原一平容疑者「違法賭博の入り口」だったのか》大谷翔平も参加していたエンゼルス“ベンチ裏ポーカー”の実態 「大谷はビギナーズラックで勝っていた」
週刊ポスト
中条きよし氏、トラブルの真相は?(時事通信フォト)
【スクープ全文公開】中条きよし参院議員が“闇金顔負け”の年利60%の高利貸し、出資法違反の重大疑惑 直撃には「貸しましたよ。もちろん」
週刊ポスト
昨秋からはオーストラリアを拠点に練習を重ねてきた池江璃花子(時事通信フォト)
【パリ五輪でのメダル獲得に向けて】池江璃花子、オーストラリア生活を支える相方は元“長友佑都の専属シェフ”
週刊ポスト
店を出て並んで歩く小林(右)と小梅
【支払いは割り勘】小林薫、22才年下妻との仲良しディナー姿 「多く払った方が、家事休みね~」家事と育児は分担
女性セブン
大の里
新三役・大の里を待つ試練 元・嘉風の中村親方独立で懸念される「監視の目がなくなる問題」
NEWSポストセブン
テレビや新聞など、さまざまなメディアが結婚相手・真美子さんに関する特集を行っている
《水原一平ショックを乗り越え》大谷翔平を支える妻・真美子さんのモテすぎ秘話 同級生たちは「寮内の食堂でも熱視線を浴びていた」と証言 人気沸騰にもどかしさも
NEWSポストセブン
「特定抗争指定暴力団」に指定する標章を、山口組総本部に貼る兵庫県警の捜査員。2020年1月(時事通信フォト)
《山口組新報にみる最新ヤクザ事情》「川柳」にみる取り締まり強化への嘆き 政治をネタに「政治家の 使用者責任 何処へと」
NEWSポストセブン
行きつけだった渋谷のクラブと若山容疑者
《那須2遺体》「まっすぐ育ってね」岡田准一からエールも「ハジけた客が多い」渋谷のクラブに首筋タトゥーで出没 元子役俳優が報酬欲しさに死体損壊の転落人生
NEWSポストセブン
愛子さま
【愛子さま、日赤に就職】想定を大幅に上回る熱心な仕事ぶり ほぼフルタイム出勤で皇室活動と“ダブルワーク”状態
女性セブン