東京五輪・パラリンピックに向けた実証実験の手荷物検査で、持込禁止物品を案内する警備スタッフ(時事通信フォト)

東京五輪・パラリンピックに向けた実証実験の手荷物検査で、持込禁止物品を案内する警備スタッフ(時事通信フォト)

 もちろん、競技大会の運営者側も対策をしていないわけではない。カメラの持ち込みを規制したり、客席を監視するスタッフを配置する場合もある。ただし、大きな大会を除けば、入場者の持ち物をいちいちチェックするにも人件費がかかるため、どうしても手薄になる。そんな、規模の小さな大会を狙い撃ちにするかのように現れる「盗撮者」もいるというからタチが悪い。

 また投稿された写真を確認していくと、テレビで放送された映像のキャプチャ画面も、かなりの枚数が違法にアップロードされていることがわかる。現役のテレビ局社員が明かす。

「学生のスポーツ大会がテレビ放送されると、毎回趣味の悪いマニアの連中がネット掲示板やSNSで実況をしながら、女子選手についてああだこうだと好き放題言っている。画面をキャプチャして違法にアップロードしては、卑猥なコメントを寄せて喜んでいる。相手が未成年であってもかまわず、です。当人や関係者がそうした掲示板を見るとどう思うのかなんて考えていない。法務部などが、キャプチャ画像の投稿者を特定し、弁護士を通じて警告を送った、なんてこともあります」(テレビ局社員)

 筆者は、数ある画像掲示板をチェックしていく中で、複数の投稿者同士がSNSでつながっている実態に気が付いた。SNSでどのような投稿などがあったかは非公開にされているので知ることができないが、キャッシュやアーカイブデータから、投稿者同士に接触があったと確認。連絡先が分かる複数のメンバーに接触を試みたところ、そのうち一人が絶対匿名を条件に、メールでの取材に応じた。

 このユーザーX氏は40代の男性。もともとカメラが趣味だったが、とある女子スポーツ選手をテレビで見て一目ぼれし、会場に応援しに行くようになった。せっかくなら、と会場で写真を撮るようになると、ブログにもアップするようになった。すると、選手のファンだという男女から高評価を得た。今度はSNS上にあった選手のファンコミュニティにも参加し、写真の投稿を始めた。この時、プレー中の写真、ポーズのきまった写真よりも、際どいアングルのカットになっている写真は、より多くの高評価を得る傾向があることを知ったのである。

「閲覧数が多いということは、それだけでお金になる、ということです。複数の、いわゆるアダルト系アフィリエイトサイトを立ち上げて、そこに写真をたくさん張り付け、人を呼び込むことができた。写真はアップした瞬間から、別人に盗まれ、様々なサイトに転載される。要はあっという間に拡散するんです」(X氏)

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