茨城VS栃木 因縁のライバル関係
それでも茨城県民はこう対抗する。
「茨城にはつくばエクスプレスが走っている。世界に向けた文化発信地の秋葉原から、日本が世界に誇る学術・研究都市つくばまで、快速に乗れば46分! 東京から宇都宮に行くより早い」(30代男性・土浦市在住)
さらに近年、茨城県民が誇りにしているのが、2010年に日本で初めて誕生したLCC(格安航空会社)専門空港の茨城空港である。
「茨城はいまや羽田と成田に並ぶ関東地方の国際玄関口。韓国や中国だけでなく、国内線でも神戸や福岡などの主要都市に安く行けるから、本当に便利ですよ。東京の人もわざわざ茨城空港までやってくるほど。そもそも栃木に空港はあるの?」(30代女性・笠間市在住)
食の面でも両者は一歩も譲らない。
「茨城には水戸納豆という世界的ブランドがある。いまや欧米で健康食材として注目されている。とちおとめ? 海外で知っている人なんていないでしょう」(40代男性・水戸市在住)
「納豆なんて今やどこでも食べられる。宇都宮餃子に佐野ラーメン、ここでしか食べられないご当地グルメで、栃木は茨城を圧倒している」(30代男性・佐野市在住)
群馬は過去最高の40位
同じ北関東の2県が小競り合いをするなか、今回の魅力度ランキングで過去最高の40位になった群馬県は高みの見物だ。
「うちには前橋と高崎という二大都市があるし、戦後総理大臣を4人も輩出している(栃木も茨城も戦後はゼロ)。実力が違う」(20代男性・高崎市在住)
最下位となった栃木も黙ってはいないため、来年は三つ巴の戦いが予想される。栃木の福田知事は「今が底。そこからはい上がる。倍返ししたい」と会見でもリベンジを固く誓っていた。同県出身の元ボクシング世界王者、ガッツ石松氏もこれがチャンスと見る。
「一番ケツになって考えたのが、思い出してもらえるきっかけになるんじゃないかってこと。“栃木って最下位なのか、日光があったよな”って感じで。最下位でもOK牧場!」
実は「だっぺ」という方言は栃木、群馬でも地域によって使われている。これからは「だっぺ帝国」改め「だっぺ連邦」として3県が連携して北関東の魅力を伝えていくのが効果的かもしれない。
※週刊ポスト2020年11月6・13日号