バイデン氏は人に優しい政治を訴えるが、指導力には疑問符も付く(AFP=時事)
筆者は必ずしもそうは思わない。バイデン氏にコロナ問題が解決できるとも思っていないが、トランプ氏が何もしない間に23万人もの死者が出たことは、簡単に見逃せる問題ではないからだ。「もし、今度の大統領選でバイデン氏が大統領になったら、アメリカはどうなると思うか?」と質問してみた。
「経済が崩壊するだろう。バイデンは、経済には全く素人だ。銀行をがんじがらめに規制するだろう。今の民主党に経済がわかる人間はいない。どんなことがあっても、バイデンをホワイトハウスに入れてはいけない。彼が大統領になれば、アメリカは社会主義になる。社会主義に基づく政策をとればアメリカは崩壊する。我々アメリカ人に通用する思想でも社会システムでもない」(M氏)
「コロナ問題はどうなるか?」と質問してみた。トランプ政権の最大の失政だ。
「私が知る限り、もう少しでワクチンが完成して国民に向けて大量に供給される。私は、ホワイトハウスが自信を持っている以上、ワクチンが素早く作られ、間もなく生産されると思う。それで解決する」
トランプ氏が再選されればアメリカは良い方向に向かうということなのだろうか。M氏はここでもブレない。
「まず、経済は著しく発展するだろう。個人消費、ハウスセールス(住宅販売)が大きく伸びるはずだ。今のようにアメリカが乱れたことはかつてない。その原因は民主党にある。民主党は、社会を充実させて国を強くすることを考えていない。金持ちのカネを奪い取り、貧しい人に分けてやると言う。そんなことをしても社会は発展しないし、人々の生活レベルは変わらないだろう。アメリカは、世界からいくら批判されようと、馬鹿扱いにされようと、社会主義への道を選んではいけない。国は衰えるばかりだ。そして、バイデンでは社会を騒乱に陥れる過激派勢力に強い態度は取れない。ハリス(副大統領候補)のような政治経験の浅い人物では、バイデンに何かあった時に国が機能停止に陥る」
M氏は最近、忙しい仕事の合間にトランプ氏の集会に参加したのだという。ウォール・ストリートには、今もトランプ氏の「友人」が多い。