国際情報

ウォール・ストリート重鎮が熱く宣言「トランプが勝つ!」

トランプ氏の集会は熱狂的支持者で熱気に満ちる(EPA=時事)

 アメリカ大統領選挙はいよいよ投票日を迎える。世論調査ではバイデン氏が依然としてリードしているが、トランプ氏の猛追は続いている。日本にいると、なぜこれだけ失政や失言の多いトランプ大統領が今も多くの支持を集めているのか疑問に感じる向きも少なくないだろう。しかし、アメリカには伝統的に左派思想を嫌う土壌があり、今の民主党は特に左派勢力の影響力が増しているために忌避感も強いのである。特に産業界や金融界には民主党政権を嫌う傾向がある。ニューヨーク在住ジャーナリスト・佐藤則男氏が、トランプ支持のウォール・ストリート重鎮を直撃した。

 * * *
「トランプが勝つ」――。電話口に出るなり、やや興奮した声を張り上げたのは、大手投資銀行の取締役であるM氏である。筆者の古い友人で、ウォール・ストリートの運用実績のランキングでトップ5%に入るエリート中のエリートである。当然、普段から冷静沈着、クレバーでいかにも頭のキレる印象の男だ。それだけに、感情を隠さない第一声に、少し意外な感じがした。

 2016年の大統領選挙に関して、その前年の2015年、筆者は『なぜヒラリー・クリントンを大統領にしないのか?』という本を講談社から出版していただき、ヒラリー氏の野望が実現しないと予測した。当時はヒラリー氏が圧倒的に有利と見られていて、筆者は周囲から笑われたものである。そんな時に、乱立していた共和党候補者のなかから、「勝利者はトランプになる。トランプが次期大統領だ」と素っ頓狂な予測をしたのがM氏だった。筆者とM氏は変わり者扱いをされた。いまさら予測が当たったことを自慢したいわけではないし、当時から筆者もそこまで確信を持って書いたわけではない。むしろ、当たりそうもない予想を書くことで、いろいろな分野の専門家たちから、「いや、ノリオは間違っているぞ」という意見を聞きたいと思っていた。

 M氏は、トランプ氏の4年間の政治を見ても、変わらずトランプ支持者である。まるでトランプ選対のスタッフのように、現状分析を滔々と語った。

「ペンシルベニアは勝てない。しかし、あとの激戦区は大丈夫だ。必ず勝つ。フロリダもようやく勝利圏内に入ってきた。トランプのどこがいいのかって? 彼以外にコロナ危機を乗り切ることはできない。民主党がこの難局に対処したら、もっと策略的になって失敗するだろう。ワシントン・ポリティクスに毒されている」

関連記事

トピックス

《悠仁さま成年式》雅子さまが魅せたオールホワイトコーデ、 夜はゴールドのセットアップ 愛子さまは可愛らしいペールピンクをチョイス
《悠仁さま成年式》雅子さまが魅せたオールホワイトコーデ、 夜はゴールドのセットアップ 愛子さまは可愛らしいペールピンクをチョイス
NEWSポストセブン
LUNA SEA・真矢
と元モー娘。・石黒彩(Instagramより)
《80歳になる金婚式までがんばってほしい》脳腫瘍公表のLUNA SEA・真矢へ愛妻・元モー娘。石黒彩の願い「妻へのプレゼントにウェディングドレスで銀婚式」
NEWSポストセブン
昨年10月の総裁選で石破首相と一騎打ちとなった高市早苗氏(時事通信フォト)
「高市早苗氏という“最後の切り札”を出すか、小泉進次郎氏で“延命”するか…」フィフィ氏が分析する総裁選の“ウラの争点”【石破茂首相が辞任表明】
NEWSポストセブン
万博で身につけた”天然うるし珠イヤリング“(2025年8月23日、撮影/JMPA)
《“佳子さま売れ”のなぜ?》2990円ニット、5500円イヤリング…プチプラで華やかに見せるファッションリーダーぶり
NEWSポストセブン
次の首相の後任はどうなるのか(時事通信フォト)
《自民党総裁有力候補に党内から不安》高市早苗氏は「右過ぎて参政党と連立なんてことも言い出しかねない」、小泉進次郎氏は「中身の薄さはいかんともしがたい」の評
NEWSポストセブン
阪神の中野拓夢(時事通信フォト)
《阪神優勝の立役者》選手会長・中野拓夢を献身的に支える“3歳年上のインスタグラマー妻”が貫く「徹底した配慮」
NEWSポストセブン
9年の濃厚な女優人生を駆け抜けた夏目雅子さん(撮影/田川清美)
《没後40年・夏目雅子さんを偲ぶ》永遠の「原石」として記憶に刻まれた女優 『瀬戸内少年野球団』での天真爛漫さは「技巧では決して表現できない境地」
週刊ポスト
朝比ライオさん
《マルチ2世家族の壮絶な実態》「母は姉の制服を切り刻み…」「包丁を手に『アンタを殺して私も死ぬ』と」京大合格も就職も母の“アップへの成果報告”に利用された
NEWSポストセブン
チームには多くの不安材料が
《大谷翔平のポストシーズンに不安材料》ドジャースで深刻な「セットアッパー&クローザー不足」、大谷をクローザーで起用するプランもあるか
週刊ポスト
ブリトニー・スピアーズ(時事通信フォト)
《ブリトニー・スピアーズの現在》“スケ感がスゴい”レオタード姿を公開…腰をくねらせ胸元をさすって踊る様子に「誰か助けてあげられないか?」とファンが心配 
NEWSポストセブン
政権の命運を握る存在に(時事通信フォト)
《岸田文雄・前首相の奸計》「加藤の乱」から学んだ倒閣運動 石破降ろしの汚れ役は旧安倍派や麻生派にやらせ、自らはキャスティングボートを握った
週刊ポスト
2013年に結婚した北島康介と音楽ユニット「girl next door」の千紗
《不倫報道で沈黙続ける北島康介》元ボーカル妻が過ごす「いつも通りの日常」SNSで垣間見えた“現在の夫婦関係”
NEWSポストセブン