幹部たちは感染予防もせずに宴会
緊急事態宣言が解除された後も、防衛大のなかでの混乱は続いていたという。
「複数のメディアで防衛大の内情が報じられたことを受け、防衛大内では自殺未遂や賭博事件、数十人単位の退校者を出してしまった状況を改善するのではなく、報道の情報源が誰なのかという“犯人探し”に躍起となっていた。等松教授が今回の申立書を提出するきっかけのひとつとなったのも、7月に入って防衛大側から突然の聞き取り調査を受けたことだといいます。
等松教授は学内で名前を名乗らない2人の男性からいきなり呼び止められ、公益通報により情報保全義務に反した嫌疑があると告げられた。嫌疑を否定する等松教授に対して、防衛大内の会議室で約40分にわたって威圧的で執拗な尋問が行なわれたといいます」(同前)
防衛大内部での危機管理の問題について、責任の所在が曖昧にされたまま、執行部に批判的な関係者に対する締め付けばかりが強くなるような状況があったというのだ。
自衛隊の隊員や防衛大の学生らは、集団生活を送るという特性上、新型コロナの感染拡大にはとりわけ注意を払う必要がある。10月には、陸上自衛隊の朝霞駐屯地での自衛官の教育課程のなかで、新型コロナのクラスター(感染者集団)が発生。日帰りのバーベキューツアーを催していたことが問題視されたが、「防衛大の危機管理にも相当な疑問がある」と話すのは現役学生のひとりだ。
「夏期休暇中には、コロナのために帰国できない留学生のためという名目で防衛大の敷地内で数十人規模のバーベキュー大会が開かれていました。宴会などを慎むように求めた大臣通達などに違反しているのではないか。
おまけに、秋季定期訓練中には國分良成・学校長や梶原直樹・陸将ら防衛大の幹部が、山梨県のほうとう屋でマスクもせず、アクリル板の衝立もないなかで宴会をやっている写真が自衛隊支援者のSNSにアップされた。学生たちの間でも、なぜ幹部にはそんな振る舞いが許されるのかと、憤慨する声があがっています」