不用品の回収といえば、過去には事前に業者が見積もりを取りに来て8万円を払ったこともあった。だが、今回は事前のネット登録・予約の後に不用品の数等を申告したがそれだけだ。彼らは2人組でやってきて次々と不用品を外に出す。途中「絶対に1回じゃ終わらないですよ。我々の都合と合う日程をサイトで予約しておいてください」と言われ、2日後に再度来てもらうことにし、不用品は無事すべて捨てられた。しかも、衣類や調理器具なども持って行ってくれたのだ。
マッチングサービスでいえば、他にも1メートル四方の冷凍庫を欲しがる知人がいたため、「カーゴ便」のサービスを使ったら近距離では4000円ほどだった。あと、「便利屋」や「おっさんレンタル」などもネットの力で雇うことができる。おっさんレンタルは1時間1000円や2時間4000円払うと愚痴を聞いてくれたり、軽作業を手伝ってくれたりする。
高齢者の中には「私はアナログ人間」と開き直ってスマホを敬遠する人も多いが、騙されたと思って使ってみると人生色々助けてもらえるだろう。
【プロフィール】
中川淳一郎(なかがわ・じゅんいちろう)/1973年生まれ。ネットで発生する諍いや珍事件をウオッチしてレポートするのが仕事。近刊に『恥ずかしい人たち』(新潮新書)。
※週刊ポスト2020年11月20日号