シンガポールの元人気俳優が性被害を与えたとして逮捕された(SNS/画像はイメージです)
「本当に、本当に不満です。彼はむち打ち刑に処されるべきでした。少なくとも、彼には一生消えない傷跡が残れば、彼自身だけでなく、周りの人々にも、彼が犯した罪を思い出させるものになったはずです」──16歳になる前の娘が性被害に遭った母親は、そう怒りを爆発させた。
加害者として名指しされたのは、かつてシンガポールで、数々のテレビドラマで活躍した売れっ子の元俳優、イアン・ファン被告(35)。親しみやすい笑顔の裏で、彼が繰り返していた卑劣な行為の全貌が、今、明らかになりつつある。
ファン被告は中国・上海生まれ。幼少期にシンガポールへ移住した後、永住権を取得。2011年からは俳優として頭角を現し始めた。2013年にはその演技力の高さから、シンガポールのエンタメ業界で権威を持つ「スター・アワード」で最優秀新人賞を獲得。2015年と2017年には、同賞における「最も人気のある男性アーティスト・トップ10」にも選ばれ、シンガポールで知らない人はいない、人気と実力を兼ねたトップ俳優だった。
一方、2023年からは俳優業を離れ、4~14歳の子供向けのモデルスクールで講師となり、後進の育成に努めていたとされる。
そんなファン被告の“裏の顔”が垣間見えたのは、2024年5月に開催されたあるエンターテインメントイベントが発端だった。複数の現地メディアによれば、このイベントでファン被告は当時15歳の少女と出会い、連絡先を交換。その後、2人は頻繁に連絡を取り合うようになり、わずか1か月後の6月には9回にわたって性的関係を持っていたことが明らかになっている。その後の裁判では、ファン被告はこの時から少女が15歳であることを認識していたことも判明している。