国際情報

バイデン政権「左派400人リスト」に産業界は早くもウンザリ

政権発足前から頭を抱えるバイデン氏(AFP=時事)

政権発足前から頭を抱えるバイデン氏(AFP=時事)

 次期大統領であるバイデン氏の陰が薄い。トランプ氏が敗北を認めないという異常事態が注目を集めているからだけではない。トランプ時代も地獄、バイデン時代になっても地獄というアメリカの苦悩を、ニューヨーク在住ジャーナリスト・佐藤則男氏がリポートする。

 * * *
 アメリカが独裁国家でないなら、トランプ大統領は選挙結果を受け入れるべきだ。政権の引き継ぎを拒否して国の安全や国民の命をないがしろにすることなど言語道断である。少なくとも、反トランプの国民と、中立の無党派層のほとんどはそう考えている。

 アメリカのコロナ死者は25万人を超えた。もはや国難であり、与党も野党もなく挙国一致政権を築いて対処しなければならない緊急事態だ。しかし、現実はそれとは程遠く、共和党とトランプ支持者たちは、いまだにバイデン氏を次期大統領(President-Elect)とさえ呼ばず、バイデン氏のほうも、遠くからトランプ氏の態度を批判するだけで、国家的な危機をどれだけ真剣に受け止めているのか伝わってこない。

 すでにNEWSポストセブンでリポートした通り、共和党は、1月に行われるジョージア州の上院決選投票に、天才的な選挙参謀として知られるカール・ローブ氏を起用する。ローブ氏の手法は国民を左右真っ二つに割り、対立を煽って中間層を味方につけるというものだ。2000年代前半のブッシュ(子)政権でそれを確立し、共和党が踏襲してきたやり方である。国民の分断を進めるトランプ氏も、実は前代未聞の大統領というわけではなく、ローブ氏の戦術をさらに過激にしたにすぎないとも言える。

 そして、その影響は野党だった民主党にも及んだ。バイデン氏は民主党のなかでは中道寄りの穏健派だが、民主党全体を見れば、かつてなく「左寄り」に傾いている。トランプ氏が極端な右寄りの政策や言動を見せれば見せるほど、民主党のなかでは極端な左派が力を増してきたのである。「中道ではトランプを倒せない」という危機感が働くからだ。

 今回の大統領選挙で、バイデン氏は当初、民主党の予備選でも苦戦した。その代わり、極端な左派で社会主義者を自任するバーニー・サンダース氏やエリザベス・ウォーレン氏がリードしたのである。それを見て慌てたのが民主党の黒幕たちだ。いくらなんでも民主党を社会主義政党にすることは党の衰退につながるから、予備選の裏で党内の談合を進め、サンダース氏やウォーレン氏を選挙戦から撤退させる見返りに、バイデン氏には、彼らをバイデン政権で重用するよう条件を出したとされる。

関連記事

トピックス

詐称疑惑の渦中にある静岡県伊東市の田久保眞紀市長(HP/Xより)
《学歴詐称疑惑の田久保眞紀・伊東市長》東洋大卒記者が卒業証明書を取ってみると…「ものの30分で受け取れた」「代理人でも申請可能」
NEWSポストセブン
オンカジ問題に揺れるフジ(時事通信)。右は鈴木善貴容疑者のSNSより
《フジテレビに蔓延するオンカジ問題》「死ぬ、というかもう死んでる」1億円以上をベットした敏腕プロデューサー逮捕で関係する局員らが戦々恐々 「SNS全削除」の社員も
NEWSポストセブン
キャンパスライフを楽しむ悠仁さま(時事通信フォト)
《新歓では「ほうれん草ゲーム」にノリノリ》悠仁さま“サークル掛け持ち”のキャンパスライフ サークル側は「悠仁さま抜きのLINEグループ」などで配慮
週刊ポスト
70歳の誕生日を迎えた明石家さんま
《一時は「声が出てない」「聞き取れない」》明石家さんま、70歳の誕生日に3時間特番が放送 “限界説”はどこへ?今なお求められる背景
NEWSポストセブン
一家の大黒柱として弟2人を支えてきた横山裕
「3人そろって隠れ家寿司屋に…」SUPER EIGHT・横山裕、取材班が目撃した“兄弟愛” と“一家の大黒柱”エピソード「弟の大学費用も全部出した」
NEWSポストセブン
イスラエルとイランの紛争には最新兵器も(写真=AP/AFLO)
イスラエルとの紛争で注目されるイランのドローン技術 これまでの軍事の常識が通用しない“ゲームチェンジャー”と言われる航空機タイプの無人機も
週刊ポスト
ノーヘルで自転車を立ち漕ぎする悠仁さま
《立ち漕ぎで疾走》キャンパスで悠仁さまが“ノーヘル自転車運転” 目撃者は「すぐ後ろからSPたちが自転車で追いかける姿が新鮮でした」
週刊ポスト
無期限の活動休止を発表した国分太一
「こんなロケ弁なんて食べられない」『男子ごはん』出演の国分太一、現場スタッフに伝えた“プロ意識”…若手はヒソヒソ声で「今日の太一さんの機嫌はどう?」
NEWSポストセブン
9月に成年式を控える悠仁さま(2025年4月、茨城県つくば市。撮影/JMPA)
《模擬店では「ベビー核テラ」を販売》「悠仁さまを話題作りの道具にしてはいけない!」筑波大の学園祭で巻き起こった“議論”と“ご学友たちの思いやり”
NEWSポストセブン
1993年、第19代クラリオンガールを務めた立河宜子さん
《芸能界を離れて24年ぶりのインタビュー》人気番組『ワンダフル』MCの元タレント立河宜子が明かした現在の仕事、離婚を経て「1日を楽しんで生きていこう」4度の手術を乗り越えた“人生の分岐点”
NEWSポストセブン
元KAT-TUNの亀梨和也との関係でも注目される田中みな実
《亀梨和也との交際の行方は…》田中みな実(38)が美脚パンツスタイルで“高級スーパー爆買い”の昼下がり 「紙袋3袋の食材」は誰と?
NEWSポストセブン
カトパンこと加藤綾子アナ
《慶應卒イケメン2代目の会社で“陳列を強制”か》加藤綾子アナ『ロピア』社長夫人として2年半ぶりテレビ復帰明けで“思わぬ逆風”
NEWSポストセブン