芸能
2020.11.29 16:00 週刊ポスト
桃月庵白酒 独自に考案した『居残り佐平次』『死神』のサゲ

有名な『居残り佐平次』『死神』の噺を独自にアレンジした桃月庵白酒(イラスト/三遊亭兼好)
音楽誌『BURRN!』編集長の広瀬和生氏は、1970年代からの落語ファンで、ほぼ毎日ナマの高座に接してきた。広瀬氏の週刊ポスト連載「落語の目利き」より、従来のサゲに満足できず独自に考案する桃月庵白酒の『居残り佐平次』『死神』についてお届けする。
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落語は「落とし噺」である以上、サゲ(オチ)がピタッと決まらないと気持ち悪い。なので従来のサゲに満足できず、独自に考案する演者もいる。桃月庵白酒もその一人だ。
10月13日の白酒独演会「お座敷白酒」(国立演芸場)では『居残り佐平次』を聴いた。従来のサゲに出てくる「おこわにかけられた」の意味がわからないと圓生も言っていた演目で、談志や小三治、近年では柳家喜多八も新たなサゲを考案した。
白酒の『居残り佐平次』は、大金をせしめた佐平次が追ってきた若い衆に「この金で蕎麦屋でもやるよ」と捨て台詞を吐き、それを伝え聞いた旦那が「蕎麦屋? 一杯食わせやがった」がサゲ。ストレートでわかりやすい秀逸な演出だ。
ちなみにこの噺、通常は旦那に呼び出された佐平次が「ガキの折から手癖が悪く、抜け参りからグレ出して」と白浪五人男を気取るが、白酒は「小さな頃から悪ガキで、15で不良と呼ばれ、ナイフみたいに尖ってた」。こっちのほうが圧倒的に「どっかで聞いた」感がある。
10月16日の「J亭スピンオフ 桃月庵白酒・柳家三三 二人会」(日経ホール)では白酒の『死神』を聴いた。『死神』は圓生の「消えた」と言って倒れ込む“見立てオチ”に欠陥はないが、噺そのものに演者の創作欲をそそるものがあるようで、談志や小三治を筆頭に多くの演者が異なるサゲを考案している。
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