機関紙である「芸生新聞」
その半年後に貴日止氏は、現在の妻・美智代氏と結婚した。三男二女に恵まれるも、結婚から24年目の2007年に、貴日止氏は脳の疾患で倒れ、以降は積極的な布教活動が難しくなっていた。
現在の信者数は公称約70万人で、教団にかつての勢いはない。施設内の建物は老朽化が進み、信者の二世・三世が通う学園の生徒数も、高校で一学年およそ50人程度。母体となる教団が力を失ったことが、2016年の学園野球部の活動休止の最大の理由であった。
やはり注目されるのは後継者問題だろう。PL教団では教祖が生前に後継者を指名することを慣例としていたが、63歳で亡くなった貴日止氏の継承者は明らかになっていない。
冒頭で紹介した各教会に送付された文面では、教団の神事が今後は一時的に中止になることが報告されている。元教団教師が語る。
「教団の神事を止めないために、後継者を明らかにしておく必要があったわけです。教祖は11月に、広島・呉で奥様やお付きの人を連れて釣りに興じてらっしゃいます。体調に不安があったとはいえ、まさかこのような最期になるとは考えてもいなかったのかもしれません。信者としては当然、次のおしえおや様がどなたになるのか、大きな不安を抱えながら決定を待っている。4代教祖として名前が挙がるのが、ともに30代であるご長女と、ご長男。有力視されているのは、PL病院の理事長秘書をしているご長男です」
最盛期に3代を継いだ貴日止氏の後継者には、会員数が減少するなかで教団運営の手腕が問われることとなる。