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2020.12.10 07:00  NEWSポストセブン

崖っぷちのトランプ「自分を恩赦」vs「逮捕」のせめぎ合い

大統領令の乱発はトランプ氏の得意技(AFP=時事)

大統領令の乱発はトランプ氏の得意技(AFP=時事)

 トランプ氏は、来年1月にバイデン大統領が誕生するまではアメリカ大統領である。その地位にあるからこそ使える大権を行使する権利がある。例えば、すべての米軍に指令することもできるし、核ミサイルのボタンを押すこともできる。退任前にイラン空爆をする可能性もゼロではない。もうひとつ、現在注目されているのが恩赦の権利である。アメリカ大統領は、過去の犯罪はもちろん、訴訟中、捜査中など「未来の犯罪」に対しても広範に恩赦を与えて無罪放免することができる。その特権を使って「自分自身を恩赦する」のではないかと見られているのである。ニューヨーク在住ジャーナリスト・佐藤則男氏は、ある高名な弁護士に、大統領の「自己恩赦」について直撃した。

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 ドナルド・トランプ大統領はすでに、共和党系ロビイストで盟友のロジャー・ストーン氏や、側近のマイケル・フリン氏に対して恩赦を与えている。個人弁護士のルディ・ジュリアーニ元ニューヨーク市長が恩赦について相談したとも言われる。そして、自分と家族に対して退任前に恩赦を与えるという観測が広がっている。大統領が自分を恩赦できるかについては諸説あるが、明確な規定がなくはっきりしない。ただし、捜査前に先制的に、広範に恩赦を与えることはできるから、簡単に言うと、「今後何が出てきても、俺と家族を生涯、訴追しない」という決定を今のうちにしておくというわけである。

 今回話を聞いたH氏は、ハーバードロースクールを優秀な成績で卒業し、現在はロサンゼルスで多くの企業やセレブリティを顧客に活躍している弁護士だ。筆者とは大学院卒業直後からの長い付き合いで、ビジネスでは難しい仕事で何度も助けられた。頭脳明晰で行動力も決断力もずば抜けている。

 まず筆者は、すでに報じられている恩赦をめぐる贈収賄疑惑について聞いた。トランプ氏から恩赦を受ける目的で、不正な工作があった可能性について、司法省が今年8月から捜査を行っていることが明らかになっている。

「このタイミングで大統領の犯罪追及が表沙汰になった意味は大きい。トランプ氏が大統領の地位に居座ろうとすることを揺さぶる意味がある。政権移行を拒むトランプ氏に対する効果的な牽制なのだろう。ただし、司法省が求めている関係者の通信記録やメールの開示が裁判所に認められたとしても、証拠固めはそう簡単ではない。はっきり犯罪の証拠になるような記録は誰も残さないものだ」(H氏)

 トランプ氏にかけられた犯罪の疑惑は山のようにある。例えば就任直後に発覚した「トランプ大学」での授業料詐欺はメディアを賑わしたが、うやむやに終わっている。必ず儲けられるようになると言葉巧みに多額の授業料を取りながら、それに見合う講義やサポートは一切行わず、生徒には口止めの誓約までさせていた事件である。

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