コロナ感染しながらも必死のトランプ擁護を続けるジュリアーニ氏も「恩赦狙い」なのか(CNP/時事通信フォト)

コロナ感染しながらも必死のトランプ擁護を続けるジュリアーニ氏も「恩赦狙い」なのか(CNP/時事通信フォト)

 また、ロバート・モラー特別検察官が手掛けたロシアと結託した選挙介入疑惑や、元側近のマイケル・コーエン氏が有罪になっている選挙資金不正疑惑、ニューヨーク・タイムズが今年9月に暴いた大規模な脱税なども白黒ついていない。これらはバイデン政権下でトランプ氏自身に対する捜査が進むとも報じられている。

「いずれも犯罪を証明することは難しいが、可能だと思う。特に脱税に関しては、すでにある材料だけでも大掛かりな不正行為が見て取れる。トランプ氏個人や経営企業の納税申告書が公表されれば、さらに不正がはっきりするだろう。負債と減価償却をうまく使う法律すれすれのケースはよくあるが、トランプ氏のケースのように税金ゼロにはできない。

 ロシア疑惑については、モラー氏は2019年4月に提出した捜査報告書で、『大統領が犯罪を犯したことを結論づけないが、容疑を晴らすものではない』としたが、これが事態を混乱させた。玉虫色の結論を出すくらいなら、はっきりわからないからさらなる捜査が必要だと言えばよかった。あいまいな結論を出したことで、トランプ陣営や司法長官はそれを自分たちに都合よく解釈して、容疑なしとしてしまった」(H氏)

 バイデン氏はトランプ氏の逃げ切りを警戒して、大統領は大統領自身を恩赦できない、と明言しているが、その規定はあいまいなのである。ただし、自分を恩赦することは、「私は追及されたくない不正を行っている」と自白するようなものなので、それは政治的には自殺行為でもある。トランプ氏にとっても、そう単純な話ではないはずだ。

 これは筆者の私見だが、トランプ氏の本当の“罪”は、自分の地位を守るために国民を分断し、嘘と捏造によってアメリカの民主主義に対する不信感を内外に広げてしまったことだ。そうであるなら、トランプ氏への憎しみに燃えるバイデン政権による訴追もまた、その傷口を広げる結果にしかならないのではないか。アメリカの司法制度では幅広く司法取引が認められている。トランプ氏を監獄にぶち込むより、トランプ氏と取引して、訴追しないかわりに、今後は民主主義を尊重し、嘘で国民を煽るような言動はしないと誓約させることのほうがよほど建設的かもしれない。そう言うとH氏は、「悪い考えではないね。法律的には成立する取引だ。ただし、政治的にはどうだろう。政治は常に世論の扇動とメディアの扇動で動くのだから」と答えた。トランプ氏をどうやって黙らせたとしても、それで同氏がバラ撒いた嘘と憎悪が消えるわけではない、ということだろう。

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