家庭用洗剤が新型コロナウイルス対策に活用できる
独立行政法人 製品評価技術基盤機構(NITE)が2020年6月に発表した報告書によれば、家庭用洗剤に含まれる界面活性剤で新型コロナウイルスを効果的に除去することができるという。新型ウイルスに0.10〜0.2%に希釈した界面活性剤を20秒〜5分間反応させたところ、ウイルスの数が減少したという。
「界面活性剤とは、1つの分子の中に、油になじみやすい部分(親油基)と水になじみやすい部分(親水基)の両方をもっているもので、身近なものでいうと石けんや洗剤に含まれています。それらは、油汚れなど、水だけでは落とせないものに対して、水と油が混ざり合うように作用し、汚れを落とすといった効果があります。
新型コロナウイルスは、エンベロープと呼ばれる脂質二重膜で外側が覆われていますが、界面活性剤がその脂質二重膜を破壊し、新型コロナウイルスを不活性化するため、効果的な消毒方法になります」(NITE担当者談)
2020年12月2日現在、試験で効果が確認されている界面活性剤は9種類。効果が確認された洗剤のリストは随時更新され、NITEのウェブサイトで確認できる。
取材・文/加藤みのり
※女性セブン2021年1月1日号