酒屋のレジ横には“シニヤ席”(店の表記のまま)と書かれた椅子があり、腰かけてのんびり世間話をしていく客の姿も。
「デイサービスよりもこっちのほうが好きよ。最初は男の人ばかりで緊張したけど、入ってみたら楽しかった。店主夫婦がいい人だから居心地が良くてね。一杯飲んでお芋の煮物をちょっといただいて帰るのよ」(70代)
馴染み客がやすらぐ細長い角打ちスペースで「しみじみ幸せよ」と女性客
「ここは昔っからの付き合い。今日は茄子の漬物をおすそわけに持ってきたよ」(70代)という年配の女性客を孝子さんが明るい笑顔で迎える。
「亀の甲羅に、角(つの)の花瓶、銀のサックス、これみんなお客さんにもらったもの。サックスは吹けないけどホラは吹く」と昭司さんが笑いを振りまき、カウンターでは賑やかな宴が続行中。
「雨が降ろうが雪が降ろうがどんなときも来ているよ。理由は、昼間っからやってるから! アットホームで安心するよ」(70代、清掃業)
「昭ちゃんのうまい肴とおしゃべりが生きがい。おれは寂しいひとりもんだから、こういう店にきて話でもしていなきゃ生きていけないよ」(70代、年金暮らし)
「ここはみんなの笑顔が好きなのよ。(シニア用)カートを押して今日はスキップしてきたから、お酒がおいしいわ」(おしゃれな70代)
「ここはやすらぎの場所。楽園ともいうね」(70代)
口々に店への熱い想いを語る幸せ顔の客らがいつも飲むのは焼酎ハイボール。
「さっぱりしているのがよしよし。しみじみ好きな味です」(70代)
店主手作りの煮魚にはすっきりとした味わいの焼酎ハイボールがぴったり
(2020年11月8日取材)