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2020.12.29 07:00  週刊ポスト

壇蜜 世代を超えて輝く「いわさきちひろのイメージ」に感動

「ちひろのアトリエ」:1972年頃のアトリエの様子を復元(特別に許可を得て展示内部で撮影)

「ちひろのアトリエ」:1972年頃のアトリエの様子を復元(特別に許可を得て展示内部で撮影)

 美術史家で明治学院大学教授の山下裕二氏とタレントの壇蜜の“日本美術応援団”が、日本の美術館や博物館の常設展を巡るこのシリーズ。東京都練馬区の「ちひろ美術館」を訪れた2人は、収蔵品、いわさきちひろの生活を感じられる私物なども鑑賞し、語り合った。

山下:いわさきちひろは画家としての人生をほぼこの地で過ごし、自宅の跡地に建つちひろ美術館・東京にはアトリエも復元されています。書棚には宮沢賢治やアンデルセンなど、思い入れの強い作品がぎっしりと並んでいますね。ちひろは日本でも有数のアンデルセンの描き手でもあるんです。本の横のマトリョーシカ人形はソ連へ旅をした折のお土産かな。

壇蜜:机にある小物が入ったバター飴の缶ひとつとっても、好きなものや趣味に根付いた生き方をされていたことが伝わります。アトリエの脇に飾ってある同系色のツーピースと帽子も素敵。華美ではないけれどもちひろさんならではの美意識があって、ファッションにも水彩画に通じるエッセンスが感じられますね。

山下:そのセンスは作品にも反映されていて、『枯れ葉と赤い服の少女』(1971年)にはこのツーピースとそっくりな装いの少女が登場しますよ。1970年代の初頭はちひろの仕事が最も充実していた時期で、中学生の僕もよく知っていました。

壇蜜:亡くなられて45年以上ですが、その後に生まれた私たちの世代の間でもちひろさんのイメージはずっと生き続けています。

山下:いつでもちひろの絵に会える場をというファンの声で作られたのが、この美術館。生前のアトリエ風景など彼女が過ごした時間や愛した空間が、作品と共に訪れる人々の心へ今も語りかけてくるのでしょう。

【プロフィール】
山下裕二(やました・ゆうじ)/1958年生まれ。明治学院大学教授。美術史家。『日本美術全集』(全20巻、小学館刊)監修を務める、日本美術応援団団長。

壇蜜(だん・みつ)/1980年生まれ。タレント。執筆、芝居、バラエティほか幅広く活躍。近著に『三十路女は分が悪い』(中央公論新社刊、12月9日発売)。

●ちひろ美術館・東京
【開館時間】10時~17時(最終入館16時30分)※当面の間16時閉館、最終入館15時30分に短縮
【休館日】月曜(祝日の場合は翌日/GWと8月10~20日は無休)、年末年始(1月2日から開館)、冬期休館・臨時休館あり
【入館料】一般1000円
【住所】東京都練馬区下石神井4-7-2

撮影/太田真三 取材・文/渡部美也

※週刊ポスト2021年1月1日・8日号

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