103年前の富山の女性たちの強さを描いた(C)2021「大コメ騒動」製作委員会
本木:人間らしい部分でもありますね。そういえば富山の女性はとっても夫思いだと、とみ役の左さんに聞いたのですがいかがでしょう。
室井:すごく夫思いですよ。理恵ちゃんだって、ねぇ?
柴田:そうそう。滋ちゃんだってそうじゃない。富山の女性はみんなすごく夫思いだもの。
室井:ウチのおじさんは夫じゃないけど。
柴田:あぁ、そうだったね(笑い)。
本木:ところで柴田さん、清んさのおばばをどうご覧になられました?
柴田:おばばは強いなって。清んさのおばばみたいな人が本当に近所におられたもの。社会の中でもおばばは絶対的な存在。ウチのおばばは辻政信に土下座させたことがあるの。
室井:えーーっ!!
本木:あの関東軍の……!?
室井:ほんとけ!
柴田:(うなずきながら)辻さんが戦争から帰還して参院選かなんかで近くへ来たときにおばばが、「なんで、おまさ、生きて帰って来たがだ!」と言ったんだって。私のおじさんが戦死してしまったから。
室井:おまさ、は「あなた」ね。
柴田:「ウチの大事な息子は死んだがに、おまさはなんで、生きて帰って来たがだ! 土下座して謝れっ」と、おばばが詰め寄ったんですって。
本木:それで辻政信に土下座を。
柴田:うん。おばばクラスになるとそういうことを平気でするようになるんですよ。よって富山の女性は強い。どうしてあんなに強くなるんだろうかと、不思議だけど(笑い)。
室井:年を重ねるとね。理恵ちゃんも私も昔からこうじゃなかったと思うもの。でもだんだん、そんなふうになってきている……(笑い)。それともう1つ、富山は年寄りを立てる風習が強いんじゃないのかな。最近は核家族化が進んでいるけれども昔は大家族で住んで、おじいちゃんでもおばあちゃんでも長老の意見にまず耳を傾けるという意識が、私たちも子供の頃からありましたよね。