芸能

芸人コメンテーターは必要か? 「伝える力」と「偏見」の難しさ

“芸人コメンテーター”の存在は番組にどう影響する?(イメージ)

“芸人コメンテーター”の存在は番組にどう影響する?(イメージ)

 日々報じられるニュース、情報番組のコメンテーターが果たす役割は小さくない。昨今は数字のとれる“芸人コメンテーター”の存在も一般化しつつあるが、是非論があるのもまた事実。

 情報番組に数多く出演するジャーナリスト・須田慎一郎氏は「必要」の立場だ。

「大学教授や専門家は『知識』はありますが『伝える力』が弱い。それに比べて、芸人コメンテーターは伝える力が圧倒的に優れています。私はいくつもの情報番組で芸人さんと共演してきましたが、彼らは視聴者に“刺さる言葉”を皮膚感覚で理解している。

 そもそも番組サイドも彼らに高度な専門性を求めていません。あくまで庶民目線でかみ砕いて話すことに意義がある。芸人側も時事ネタの情報収集はちゃんとやっていて、たとえばお笑いコンビ『ますだおかだ』の増田英彦さんは、黒川検事長の定年延長騒動の問題点を詳しく調べていて、分かりやすくコメントしていた。なかなか専門家にはできないことです」

 一方、コラムニストの小田嶋隆氏は「不要」と断じている。

「専門性がないのに『伝える力』に長けていることが問題です。庶民の視点は、往々にして誤解や偏見を含んでいる。だからこそ専門家の目を通す必要があるのに、芸人コメンテーターは視聴者の感じるモヤモヤした感情を脊髄反射で言語化してしまう。

 例えば小室圭さんと眞子さまの結婚問題も、視聴者がなんとなく抱えている『小室さんはけしからん』という感情を、いとも簡単に、しかも“うまい言い回し”で話すでしょう。皇室ならではの難題があるのに、それを差し置いて、視聴者の一方的な怒り、ひいては偏見が正しいものなのだとお墨付きを与えている。芸人は芸能ニュース以外に口を挟むべきではない」

※週刊ポスト2020年1月15・22日号

コラムニストの小田嶋隆氏(写真/共同通信社)

コラムニストの小田嶋隆氏(写真/共同通信社)

関連記事

トピックス

あごひげを生やしワイルドな姿の大野智
《近況スクープ》大野智、「両肩にタトゥー」の衝撃姿 嵐再始動への気運高まるなか、示した“アーティストの魂” 
女性セブン
天海のそばにはいつも家族の存在があった
《お兄様の妹に生まれてよかった》天海祐希、2才年上の最愛の兄との別れ 下町らしいチャキチャキした話し方やしぐさは「兄の影響なの」
女性セブン
満を持してアメリカへ(写真/共同通信社)
アメリカ進出のゆりやんレトリィバァ「渡辺直美超えの存在」へ 流暢な英語でボケ倒し、すでに「アメリカナイズされた笑い」への対応万全
週刊ポスト
川村
【北海道・男子大学生死亡】脚には「龍のタトゥーシール」…逮捕された川村葉音容疑者(20)の同級生が明かす「暴力的側面」と「恋愛への執着心」
NEWSポストセブン
ライブペインティングでは模様を切り抜いた型紙にスプレーを拭きかけられた佳子さま(2024年10月26日、佐賀県基山町。撮影/JMPA)
佳子さま、今年2回目の佐賀訪問でも弾けた“笑顔の交流” スプレーでのライブペインティングでは「わぁきれい!うまくできました!」 
女性セブン
傷害致死容疑などで逮捕された八木原亜麻容疑者(20)、川村葉音容疑者(20)、(右はインスタグラムより)
【北海道男子大学生死亡】逮捕された交際相手の八木原亜麻容疑者(20)が高校時代に起こしていたトラブル「友達の机を何かで『死ね』って削って…」 被害男性は中学時代の部活先輩
NEWSポストセブン
木曽路が“出禁”処分に(本人のXより)
《胸丸出しショット投稿で出禁処分》「許されることのない不適切な行為」しゃぶしゃぶチェーン店『木曽路』が投稿女性に「来店禁止通告」していた
NEWSポストセブン
東京・渋谷区にある超名門・慶應義塾幼稚舎
《独占スクープ》慶應幼稚舎に激震!現役児童の父が告白「現役教員らが絡んだ金とコネの入学ルート」、“お受験のフィクサー”に2000万円 
女性セブン
佳子さまの耳元で光る藍色のイヤリング
佳子さまが着用した2640円のイヤリングが驚愕の売れ行き「通常の50倍は売れています」 地方公務で地元の名産品を身につける心遣い
週刊ポスト
傷害致死容疑などで逮捕された八木原亜麻容疑者(20)、川村葉音容疑者(20)(インスタグラムより)
【北海道男子大学生死亡】 「不思議ちゃん」と「高校デビュー」傷害致死事件を首謀した2人の女子大生容疑者はアルバイト先が同じ 仲良く踊る動画もSNS投稿
NEWSポストセブン
いわゆる“ガチ恋”だったという千明博行容疑者(写真/時事通信フォト)
《18才ガールズバー店員刺殺》被害者父の悲しみ「娘の写真を一枚も持ってない。いま思い出せるのは最期の顔だけ…」 49才容疑者の同級生は「昔からちょっと危うい感じ」
女性セブン
騒動があった西岩部屋(Xより)
《西岩親方、19歳力士の両親を独占直撃》「母と祖母が部屋を匿名誹謗中傷」騒動 親方は「幹希の里は覚悟を決めて書いた」と説明
NEWSポストセブン