失った「宴会需要」を補う新サービス
昨年後半よりブッフェを再開しているホテルもあるが、マスク着用は当然としてビニール手袋やスニーズガードもデフォルトであるし、座席の間隔を空けるなどの対策をとる施設は多い。
取り出す必要のない手袋
手先が乾燥しているとビニール手袋自体をピックアップするのも難儀で、思わず力が入り不必要な枚数までピックアップしてしまうことがある。昨年末に滞在したホテルでは、手をかざすと風力でビニール手袋が持ち上がりそのまま手が入れられる器具を見かけて驚いた。
ブッフェといえばバンケット(宴会)でもお馴染みの提供方法だが、そもそも不特定多数の人々が集う宴会はコロナ禍で忌避される最たるもの。だが、多くのシティホテルにとってバンケットは重要な収益の柱でありコロナ禍で業績に大きな影響を与えたサービスのひとつだ。
そのような苦境を乗り越えようと新たなチャレンジはここにもみられる。一例として「プリンスホテル」では立食ブッフェから着席スタイルへと変更して好評を博している。料理はスタッフがワゴンサービスで提供、オープンキッチンで仕上げたメニューをゲストの席まで提供して回る新しいスタイルだ。
ドリンクもワゴンで(プリンスホテル)
ゲストは席を立つことなく出来立てメニューを楽しめるし、何より料理前の行列が回避できるのは嬉しい限りだ。
座席間隔を設けた大きなテ-ブルといった対策にも力を入れているが、そもそもブッフェは省人化の点でも秀逸とされてきた中、着席スタイルとあらばホテルやスタッフの負担は大きい。しかし、会食やパーティーが控えられる状況下、安全安心に新たなコミュニケーションを生み出す場を提供したいというホテルの熱い思いも伝わってくる試みだ。