芸能

武井咲『黒革の手帖』SPは『半沢直樹』との共通点が満載だった

武井咲

武井咲の美貌は健在だった

 スペシャル版が作られるドラマは人気作品に違いないが、その魅力が時間を経てもなお色褪せないかどうかはわからない。ドラマウォッチを続ける作家で五感生活研究所代表の山下柚実氏が分析した。

 * * *
 2017年の連ドラ以来、約3年ぶり。いよいよ待たれていた悪女・原口元子が帰ってきました。1月7日に放送されたスペシャルドラマ『黒革の手帖~拐帯行(かいたいこう)~』(テレビ朝日系)。「綺麗過ぎて見とれる」「あまりの美しさと強さにしびれる」という声が続出し、視聴率も二桁に乗せました。

 原口元子役・武井咲さんの惚れ惚れするような着物姿に癒やされた人が多かったようですが、しかし今回の武井さん、美しいだけではない。

 まずは刑務所からの出所シーンから始まった。横領と恐喝の罪で3年も服役した元子だが背筋はすっと伸び悪びれる様子もなく、堂々と前を向いている姿がいい。出所後にスーパーマーケットのパートやビル清掃のパートとして働く姿も見せた。

 そう、武井さんには磨きのかかった美しさだけでなく「生活者」としての凄みも加わり、冒頭から「裸一貫で役に立ち向かう決意と迫力」がプンプンと漂っていました。

 さて、舞台は銀座の高級クラブから一転して古都・金沢へ。

 ITビジネス長者の神代(渡部篤郎)が経営する高級クラブで働き始めた元子。復讐劇第Ⅱ幕が切って落とされました。神代によって父を自殺においこまれ、復讐の念を燃やす森村(毎熊克哉)と手を組んだ元子の反撃は……というこのドラマ、どこか既視感がある。悪い意味ではなく前作の繰り返しという意味でもなく。スカっと胸のすくようなこの感覚を以前、テレビ画面で経験したことがある。「してやったり」と膝を打ちたくなる気持ち良さ……。

 そうです、まさしくあの「倍返し」の世界です。武井咲による黒革の元子は「女版 半沢直樹」。そう言えるほど、いくつも共通点が見つかります。

●溜飲を下げるストーリー

 元子が仕返しをするのは、女を人ではなくモノとして粗末に扱う相手や社会。一方、半沢直樹が仕返しするのは、巨悪の権威・権力をかざす組織。いずれも、弱い立場の主人公が強者をやり込める、勧善懲悪的な爽快感があります。

●見得を切る主人公

 正面からしっかりと見得を切る主人公。主役を演じる俳優の中にマグマのように貯められたパワーがあり、それが見事に噴出される。高いテンションが見所となっています。

●決めセリフの応酬

「お勉強させていただきます」は、元子の口から繰り返されるセリフ。背後には「あなたを反面教師にさせてもらいます」「復讐の方法も含めて学ばせていただきます」という毒を含んでいます。

 そして、半沢直樹の決めセリフといえば「やられたらやり返す、倍返しだ」。いずれも意図されたセリフの反復によって視聴者の爽快感を高めていきます。

関連記事

トピックス

《悠仁さま成年式》雅子さまが魅せたオールホワイトコーデ、 夜はゴールドのセットアップ 愛子さまは可愛らしいペールピンクをチョイス
《悠仁さま成年式》雅子さまが魅せたオールホワイトコーデ、 夜はゴールドのセットアップ 愛子さまは可愛らしいペールピンクをチョイス
NEWSポストセブン
LUNA SEA・真矢
と元モー娘。・石黒彩(Instagramより)
《80歳になる金婚式までがんばってほしい》脳腫瘍公表のLUNA SEA・真矢へ愛妻・元モー娘。石黒彩の願い「妻へのプレゼントにウェディングドレスで銀婚式」
NEWSポストセブン
昨年10月の総裁選で石破首相と一騎打ちとなった高市早苗氏(時事通信フォト)
「高市早苗氏という“最後の切り札”を出すか、小泉進次郎氏で“延命”するか…」フィフィ氏が分析する総裁選の“ウラの争点”【石破茂首相が辞任表明】
NEWSポストセブン
万博で身につけた”天然うるし珠イヤリング“(2025年8月23日、撮影/JMPA)
《“佳子さま売れ”のなぜ?》2990円ニット、5500円イヤリング…プチプラで華やかに見せるファッションリーダーぶり
NEWSポストセブン
次の首相の後任はどうなるのか(時事通信フォト)
《自民党総裁有力候補に党内から不安》高市早苗氏は「右過ぎて参政党と連立なんてことも言い出しかねない」、小泉進次郎氏は「中身の薄さはいかんともしがたい」の評
NEWSポストセブン
阪神の中野拓夢(時事通信フォト)
《阪神優勝の立役者》選手会長・中野拓夢を献身的に支える“3歳年上のインスタグラマー妻”が貫く「徹底した配慮」
NEWSポストセブン
9年の濃厚な女優人生を駆け抜けた夏目雅子さん(撮影/田川清美)
《没後40年・夏目雅子さんを偲ぶ》永遠の「原石」として記憶に刻まれた女優 『瀬戸内少年野球団』での天真爛漫さは「技巧では決して表現できない境地」
週刊ポスト
朝比ライオさん
《マルチ2世家族の壮絶な実態》「母は姉の制服を切り刻み…」「包丁を手に『アンタを殺して私も死ぬ』と」京大合格も就職も母の“アップへの成果報告”に利用された
NEWSポストセブン
チームには多くの不安材料が
《大谷翔平のポストシーズンに不安材料》ドジャースで深刻な「セットアッパー&クローザー不足」、大谷をクローザーで起用するプランもあるか
週刊ポスト
ブリトニー・スピアーズ(時事通信フォト)
《ブリトニー・スピアーズの現在》“スケ感がスゴい”レオタード姿を公開…腰をくねらせ胸元をさすって踊る様子に「誰か助けてあげられないか?」とファンが心配 
NEWSポストセブン
政権の命運を握る存在に(時事通信フォト)
《岸田文雄・前首相の奸計》「加藤の乱」から学んだ倒閣運動 石破降ろしの汚れ役は旧安倍派や麻生派にやらせ、自らはキャスティングボートを握った
週刊ポスト
2013年に結婚した北島康介と音楽ユニット「girl next door」の千紗
《不倫報道で沈黙続ける北島康介》元ボーカル妻が過ごす「いつも通りの日常」SNSで垣間見えた“現在の夫婦関係”
NEWSポストセブン