江戸から来た仙夏は言う。「あんたらがうらやましいよ。自由に逢引きできて。それだけでも幸せじゃないか」遊郭に生きる彼女は、恋人とのデートはおろか、吉原から外に出ることもできない立場だった。こじらせ小僧に彼女の言葉がどう響くかもみものだ。
すっかりラブストーリー寄りになっていたが、今期はもうひとり「家業を継いでないお坊ちゃま」が出てくるのを忘れてはいけない。宮藤官九郎脚本の『俺の家の話』の観山寿一(長瀬智也)は、バツイチのプロレスラーだが、実家は「能楽」の宗家で、父の寿三郎(西田敏行)は人間国宝という血筋なのだ。4歳で舞台にあがったときは神童と言われながら、17歳で家出したらしい寿一。レスラー辞めて能楽師になるって。こじれた自分と家族に王子様の微笑みではなく、力技を連発してスカッとさせる作戦か!? ニュータイプのマッチョお坊ちゃまからも目が離せない。お坊ちゃまに見えるかは別として。