思い起こせば、過去にも占いや開運をテーマにしたテレビ番組は数多く制作されてきた。特に2000年代は、『ズバリ言うわよ!』(TBS系、2004年8月~2008年3月)や『国分太一・美輪明宏・江原啓之のオーラの泉』(テレビ朝日系、2005年4月~2009年3月)といった人気番組がブームを牽引し、その影響で、「私は木星人」「私のオーラは水色」と自己分析して、占い界のルールに則って行動する人も目立った。
だが令和のいま、占いは平成のそれらとは大きく異なる。
「これまでの占い番組は、未来の出来事にフォーカスを当て、占い師さんの持つ言葉の強さでアドバイスを送るものが多かったと思います」(坪井さん)
平成ブームの際、細木数子さん(82才)の「アンタ死ぬわよ!」という怒声や、守護霊による「予言」の数々は、キャッチーな一方、多くの人を戦慄させた。これらの占い番組は、“受け入れざるを得ない運命を予言されて、そこからなんとか逃れるためのアドバイスをもらう”という内容が多く、良くも悪くも占い師が主体だった。
しかし現在は、それが逆になっている。
「番組では占われる人の未来だけでなく過去や現在にもフォーカスすることで、その人の人生に起きた出来事や抱えている悩みを、年表をひもとくように見せていきます。視聴者のみなさんは、その人生や悩みに自分を重ね合わせて、共感していただいているのだと思います。これからも番組ではあらゆる人生ドラマを見せていきたいと思います」(坪井さん)
※女性セブン2021年2月4日号