イギリスでコロナワクチン接種に並ぶ人たち(写真/Getty Images)
前出・今西氏はこう話す。
「ワクチンを打った医師は注射の間、ほとんど口を開くことはなく、自分のことに触れないでほしいという態度でした。場所は『どこでもできるからホテルでどうか』という提案もあったようですが、医師もそれはまずいという判断で知り合いのクリニックを間借りしているようです」
インフルエンザワクチン開発の研究に携わってきた奥野良信・大阪健康安全基盤研究所理事長は、中国製ワクチンをめぐる動きについてこう話す。
「仮に大企業のトップらが“自分たちは選ばれた人間だから優先的に打てる”という発想で接種したのなら、それは“自分たちさえ予防できれば良い”という考えではないかと疑われます。しかも、未承認のワクチンを接種した人は、その危険性をよくわかっていません」
どういうことか。
「中国のシノファーム製ワクチンはウイルスの毒性をなくして作る『不活化ワクチン』ですが、この種のワクチンの開発には5~20年という期間がかかる。それを数か月という短期間で開発し量産態勢を整えたのですから、どんな副反応があるかわかりません。最悪、アナフィラキシーショックを起こして亡くなる可能性がある。
もし闇ルートで接種したワクチンで深刻な副反応が出たことが知られたら、企業トップとしてはダメージが大きいので、副反応の治療も友人の医師などに頼んでこっそり受けることになるかもしれません」(同前)
日本で承認される予定の欧米ワクチンの接種でも、“先駆け”を目論む人がいる。自民党議員と親しいPR系企業の幹部はこう言う。
「その議員のツテで親しくしている開業医に『君の名前を医院の助手として申請するから打ってみるか?』と誘われました。うまく申請が通れば、“医療従事者”としてワクチンを接種してもらおうと思っています」
※週刊ポスト2021年2月5日号