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フジの占い番組もヒット なぜ占い師の話に人は引き込まれるのか?

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自分のことを言い当てられたように感じるのはなぜか?(写真はイメージ)

 臨床心理士・経営心理コンサルタントの岡村美奈さんが、気になったニュースや著名人をピックアップ。心理士の視点から、今起きている出来事の背景や人々の心理状態を分析する。今回は、フジテレビの人気番組『突然ですが占ってもいいですか?』について。

 * * *
「毎回目が離せない」「当り過ぎて怖い」とある女性誌の編集者に聞いて、早速その番組『突然ですが占ってもいいですか?』(フジテレビ系」を見てみた。タイトル通り、スゴ腕と紹介されている人気占い師がアイドルや話題の芸能人、一般人を占っていく番組である。

“フォーチュンウォッチャー”という肩書きのMCは、水野美紀、みちょぱこと池田美優、沢村一樹。沢村さんは3月いっぱいまでお休みということで、1月のマンスリーフォーチュンウォッチャーを木村拓哉が務め、2月からは満島真之介が担当する。この3人がスタジオで占いを見守りながら所々にコメントを挟んでいく。

 フジテレビの配信サイトなどには「ガチ占い!」とあるが、アイドルや芸能人への占いは見どころが編集されたバラエティ的な作りだ。一般人への占いでは人生相談的な要素がふんだんに盛り込まれ、相談者が悩みを吐露したり涙する場面もある。占い師が言い当てるととテレビ画面に「LOCK-ON」という文字と音楽が流れるが、「そうなのか」と思いつつも、核心をついているのかどうか視聴者には確かめようもない。
 
 占いといえば、心理学でよく知られているのが「バーナム効果」だ。誰にでも当てまはるような曖昧な内容なのに、自分のことを的確に言い当てられたように感じてしまう現象のことで、心理学者ポール・ミールが、米国のサーカスの興行師P・T・バーナムの言葉「We’ve got something for everyone」(誰にとっても当てはまるものがある」に因んで名付けたと言われている。また、この現象を検証した米国の心理学者バートラム・フォアの名前から「フォアラー効果」とも呼ばれている。

 曖昧で普遍的内容なのに、自分のことを指摘されていると感じてしまう理由は、人が自分探しをしたい生き物であり、自分のことをどんな人間なのか知りたい欲求が強いからというのが通説だ。占い師が「あなたはマイペースだけど人には気を使う」など「こんなところがあるけれど、こんな面もある」「こういう割にはこういうタイプ」と相反する2つのタイプを提示して曖昧性を広げる。だが言い方としては「こういうところがある!」と断言するのが、「当たる!」と思わせる方法であることが知られている。

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