「フロリダのホワイトハウス」となった豪邸「マー・ア・ラゴ」(AFP=時事)
そういえば、上院院内総務のミッチ・マコーネル氏も、議事堂事件以降は、もうトランプ氏は嫌だ、散々だと批判していたが、いつの間にか静かになっている。これも、周囲の議員から「トランプを見限るのは早計だ。しばらく黙っていたほうがいい」と説得され、トランプ離れを諦めたからなのだという。結果的にこちらもフェイクの喧嘩だったようだ。
はっきり言えるのは、今も共和党の手綱はトランプ氏ががっちり握っており、2022年の中間選挙はトランプ氏の指揮の下に戦う可能性が高いことだ。すでにリポートした「トランプ・チャンネル」が共和党議員の踏み絵になれば、事実上、選挙の公認権までトランプ氏が持つことになる。政界関係者は、「新大統領の最初の中間選挙は、与党が負けることが多い。上院も下院も僅差で民主党が多数を握っている状態だから、中間選挙で勝ってしまえば2年も待たずに共和党は復活できる。そのためにはトランプ氏がリーダーになるのが一番手っ取り早い」と解説する。
トランプ氏は不死鳥なのか。しかし、共和党支持の大物弁護士は、そんな安易な戦略は2年ももたないと切り捨てる。
「弾劾裁判で国家に対する犯罪を問われているような人物が、共和党のリーダーとして君臨して中間選挙や次の大統領選挙の主役になるなどあり得ない。共和党もそこまで落ちぶれてはいない。マコーネルも一時的に黙っているだけだろう。フロリダはホワイトハウスではない。共和党員も変化を求めているから、この2年で大きく変わるはずだ」
「フロリダのホワイトハウス」にトランプ詣でする共和党議員たちに明るい未来があるか、鉄槌が下るかは、すべて有権者の判断にかかっている。