本田医師が続ける。
「結果、感染症の専門医も不足しています。昨夏の段階で全国の感染症指定医療機関は約400施設でしたが、感染症専門医が在籍したのは144施設のみ。集中治療医も1850人のみで、ICUとそれに準ずる病床をカバーするにはあと4500人程度の集中治療医が必要です。
医療崩壊の危機は以前から指摘されていたのに、日本医師会の中川俊男会長が医師不足を口にしないのは、医師会自体が医師の数を抑制してきたからではないか」
これらの医師の問いについて中川会長に聞くと、「あいにく予定が詰まっており、取材をお受けするのが難しい」(日本医師会広報課)とのこと。
患者受け入れ体制の逼迫から、新型コロナ感染者で病院に入れず自宅療養中に重症化、死亡に到るケースが相次いでいる。日本医師会にはこの状況を打開する建設的な提案、取り組みを期待したい。
※週刊ポスト2021年2月12日号