「今後は新型コロナで減った売り上げを不要な薬の処方や手術件数を増やすことでカバーしようする医師や病院が増えるでしょう。実際に私のセカンドオピニオン外来に来た患者らによると、いまは病院の手術室が空いているため、診断から手術日までの間隔が以前よりかなり短くなり、手術内容をじっくりと検討する時間がなくなっています。そうした手術を受けた結果、多くの患者の健康状態が悪化することが懸念されます」
過剰医療や医療ミスで体調不良や病気が引き起こされることを「医原病」と呼ぶ。米ジョンズ・ホプキンス大学が2016年に発表した調査では、アメリカ人の死亡原因の第3位は医原病(医療過誤)によるものだった。とかく過剰な医療が目立つ日本も新型コロナを機に、病院と患者の関係を問い直すべき時期を迎えたのだろう。
※女性セブン2021年2月18・25日号