スポーツ

江本孟紀氏がコロナ・キャンプ規制に「やっとれませんわ!」

マー君の加入でリーグNo.1の先発陣にはなったが……(時事)

マー君の加入でリーグNo.1の先発陣にはなったが……(時事)

 プロ野球がキャンプ・インしているが、なんとなく「球春到来!」という盛り上がりには欠ける。それも当然で、各球団のキャンプは史上初めて「無観客」で行われ、しかも取材陣にも厳しい規制がかけられているため、「コロナのカーテン」に隠された選手たちの仕上がりや本音が見えにくくなっている。

 今年は、年明けに巨人が桑田真澄コーチの就任を電撃発表したり、楽天に田中将大が復帰したりと、ここにきて大きなニュースが相次いでいるだけに、そうした想定外の新戦力や首脳陣が機能するか、チームに溶け込めるかも慎重に見極めたいところ。ファンはどうしても戦力を積み上げて「今年は先発陣が〇勝してくれそうだ」とか、「クリーンアップで100発打つだろう」などと皮算用するが、野球がチーム競技である以上、選手が実力通りに活躍するかは人間関係やチーム運営の巧拙に大きく左右される。

 辛口評論で知られる江本孟紀氏は、そうした「プロの眼」が試される取材が思うようにできないことに不満顔である。

「今年は特に各チームの人間関係をじっくり取材したいと思っていたんです。例えば楽天は、田中が復帰して先発陣が充実し、ファンは優勝間違いなしと思っているかもしれませんが、我々は大物の加入で人間関係がうまくいくかが気になります。桑田コーチが入り、出ていくと思っていた菅野智之が残った巨人だってそう。

 そうなんだけど、今のところほとんどの解説者はキャンプ取材に行っていません。だって、PCR検査を4日に1度やらないと取材させないとか、滞在しているホテルからは出ずに、食事はコンビニで調達しろとか、細かいルールが課されている。これじゃ、やっとれませんわ。で、口うるさい評論家やOBが来ないというので、球団や選手はやりたいようにやっているだけでしょう。それでどういう結果が出るか、野球を愛する者として心配です」

涌井はライバル心めらめら(時事)

涌井はライバル心めらめら(時事)

 江本氏も気になるという楽天では、田中の復帰でエースの座を奪われかねない涌井秀章がメラメラとライバル心を燃やしているという。昨年4度目の最多勝を獲得したが、4度の最多勝というのは稲尾和久と野茂英雄しか達成していない大記録である。しかし、年俸は1億6000万円(推定、以下同)。球界史上最高年俸の9億円を手にする田中との待遇格差はあまりにも大きい。

「涌井は2019年に3勝7敗でロッテから戦力外通告され、西武時代の同僚でもあった楽天の石井一久GMに拾ってもらった恩を感じています。昨年の活躍は、石井GMに恩返しするために奮起した面も大きかった。だからこそ、今季は監督になった石井氏を支えるのは自分だという強い自負もあるでしょう。マー君と競って相乗効果があればいいが、例えば開幕投手をめぐって柱同士がいがみ合えばチームは空中分解しかねない」(楽天担当記者)

関連キーワード

関連記事

トピックス

大谷翔平がこだわる回転効率とは何か(時事通信フォト)
《メジャー自己最速164キロ記録》大谷翔平が重視する“回転効率”とは何か? 今永昇太や佐々木朗希とも違う“打ちにくい球”の正体 肩やヒジへの負担を懸念する声も
週刊ポスト
竹内朋香さん(27)と伊藤凛さん(26)は、ものの数分間のうちに刺殺されたとされている(飲食店紹介サイトより。現在は削除済み)
「ギャー!!と悲鳴が…」「血のついた黒い服の切れ端がたくさん…」常連客の山下市郎容疑者が“ククリナイフ”で深夜のバーを襲撃《浜松市ガールズバー店員刺殺》
NEWSポストセブン
和久井学被告と、当時25歳だった元キャバクラ店経営者の女性・Aさん
【新宿タワマン殺人・初公判】「オフ会でBBQ、2人でお台場デートにも…」和久井学被告の弁護人が主張した25歳被害女性の「振る舞い」
NEWSポストセブン
遠野なぎこ(Instagramより)
《愛するネコは無事発見》遠野なぎこが明かしていた「冷房嫌い」 夏でもヒートテックで「眠っている間に脱水症状」も 【遺体の身元確認中】
NEWSポストセブン
『凡夫 寺島知裕。「BUBKA」を作った男』(清談社Publico)を執筆した作家・樋口毅宏氏
「元部下として本にした。それ自体が罪滅ぼしなんです」…雑誌『BUBKA』を生み出した男の「モラハラ・セクハラ」まみれの“負の爪痕”
NEWSポストセブン
ブラジルを公式訪問されている秋篠宮家の次女・佳子さま(2025年6月4日、撮影/JMPA)
「佳子さまは大学院で学位取得」とブラジル大手通信社が“学歴デマ報道”  宮内庁は「全報道への対応は困難。訂正は求めていません」と回答
NEWSポストセブン
米田
「元祖二刀流」の米田哲也氏が大谷翔平の打撃を「乗っているよな」と評す 缶チューハイ万引き逮捕後初告白で「巨人に移籍していれば投手本塁打数は歴代1位だった」と語る
NEWSポストセブン
花田優一が語った福田典子アナへの“熱い愛”
《福田典子アナへの“熱い愛”を直撃》花田優一が語った新恋人との生活と再婚の可能性「お互いのリズムで足並みを揃えながら、寄り添って進んでいこうと思います」
週刊ポスト
生成AIを用いた佳子さまの動画が拡散されている(時事通信フォト)
「佳子さまの水着姿」「佳子さまダンス」…拡散する生成AI“ディープフェイク”に宮内庁は「必要に応じて警察庁を始めとする関係省庁等と対応を行う」
NEWSポストセブン
まだ重要な問題が残されている(中居正広氏/時事通信フォト)
中居正広氏と被害女性Aさんの“事案後のメール”に「フジ幹部B氏」が繰り返し登場する動かぬ証拠 「業務の延長線上」だったのか、残された最後の問題
週刊ポスト
遠野なぎこ(本人のインスタグラムより)
《ブログが主な収入源…》女優・遠野なぎこ、レギュラー番組“全滅”で悩んでいた「金銭苦」、1週間前に公表した「診断結果」「薬の処方」
NEWSポストセブン
ホストクラブや風俗店、飲食店のネオン看板がひしめく新宿歌舞伎町(イメージ、時事通信フォト)
《「歌舞伎町弁護士」のもとにやって来た相談者は「女風」のセラピスト》3か月でホストを諦めた男性に声を掛けた「紫色の靴を履いた男」
NEWSポストセブン