辞任する意向が明らかになった(共同通信社)

辞任する意向が明らかになった(共同通信社)

 二階氏が前述のような発言をした時、その周りには自民党の幹事長代行らが並んでいた。だが誰もその発言を止めようとはしない。彼らの中にも現状維持バイアスがあるからだ。過去はこれで上手くいっていたという経験や、成果や実績があれば尚のこと、変化するよりも現状を維持する方が安定的だと感じられるし、変化に伴うマイナス面やデメリットばかりが目につき、安定安心を失うのが怖くなる。バイアスが強ければ強いほど、現状にしがみつこうとする。

 自らの発言の真意を問われた二階氏は2月9日、今度は「深い意味はない」と返答。ジェンダー問題について聞かれると、「我々は男女平等で、ずっと子どもの頃から一貫して教育を受けてきた。女性だから、男性だからってありません」と持論を展開した。これまで同様、その考えや意識が変わることはないことがわかる。そして「女性が心から尊敬しています」と述べたのだ。

 この発言は“てにをは”が違っている。てにをはとは言葉をつなぐ助詞のこと。これが変わると文章のニュアンスが大きく変わる。「女性が」、と言えば「女性」の部分が強調され、女性が誰かを尊敬していることになる。自分が尊敬しているなら、ここでの正解は「女性を」だ。こんな細かな言い回し1つからも、二階氏の現状維持バイアスが見え隠れする。

 抗議の声は止まらず、スポンサー企業からは苦言が続出している。今回の問題は、“重鎮”“長老”と呼ばれる人たち、彼らを取り巻く人々の現状維持バイアスがありありと感じられる絶好の機会だったと思う。誰が長老の首に鈴をつけるのだろうか。

関連キーワード

関連記事

トピックス

裏金問題を受けて辞職した宮澤博行・衆院議員
【パパ活辞職】宮澤博行議員、夜の繁華街でキャバクラ嬢に破顔 今井絵理子議員が食べた後の骨をむさぼり食う芸も
NEWSポストセブン
海外向けビジネスでは契約書とにらめっこの日々だという
フジ元アナ・秋元優里氏、竹林騒動から6年を経て再婚 現在はビジネス推進局で海外担当、お相手は総合商社の幹部クラス
女性セブン
岸信夫元防衛相の長男・信千世氏(写真/共同通信社)
《世襲候補の“裏金相続”問題》岸信夫元防衛相の長男・信千世氏、二階俊博元幹事長の後継者 次期総選挙にも大きな影響
週刊ポスト
女優業のほか、YouTuberとしての活動にも精を出す川口春奈
女優業快調の川口春奈はYouTubeも大人気 「一人ラーメン」に続いて「サウナ動画」もヒット
週刊ポスト
二宮和也が『光る君へ』で大河ドラマ初出演へ
《独立後相次ぐオファー》二宮和也が『光る君へ』で大河ドラマ初出演へ 「終盤に出てくる重要な役」か
女性セブン
真剣交際していることがわかった斉藤ちはると姫野和樹(各写真は本人のインスタグラムより)
《匂わせインスタ連続投稿》テレ朝・斎藤ちはるアナ、“姫野和樹となら世間に知られてもいい”の真剣愛「彼のレクサス運転」「お揃いヴィトンのブレスレット」
NEWSポストセブン
デビュー50年の太田裕美、乳がん治療終了から5年目の試練 呂律が回らず歌うことが困難に、コンサート出演は見合わせて休養に専念
デビュー50年の太田裕美、乳がん治療終了から5年目の試練 呂律が回らず歌うことが困難に、コンサート出演は見合わせて休養に専念
女性セブン
今回のドラマは篠原涼子にとっても正念場だという(時事通信フォト)
【代表作が10年近く出ていない】篠原涼子、新ドラマ『イップス』の現場は和気藹々でも心中は…評価次第では今後のオファーに影響も
週刊ポスト
交際中のテレ朝斎藤アナとラグビー日本代表姫野選手
《名古屋お泊りデート写真》テレ朝・斎藤ちはるアナが乗り込んだラグビー姫野和樹の愛車助手席「無防備なジャージ姿のお忍び愛」
NEWSポストセブン
破局した大倉忠義と広瀬アリス
《スクープ》広瀬アリスと大倉忠義が破局!2年交際も「仕事が順調すぎて」すれ違い、アリスはすでに引っ越し
女性セブン
大谷の妻・真美子さん(写真:西村尚己/アフロスポーツ)と水原一平容疑者(時事通信)
《水原一平ショックの影響》大谷翔平 真美子さんのポニーテール観戦で見えた「私も一緒に戦うという覚悟」と夫婦の結束
NEWSポストセブン
大谷翔平と妻の真美子さん(時事通信フォト、ドジャースのインスタグラムより)
《真美子さんの献身》大谷翔平が進めていた「水原離れ」 描いていた“新生活”と変化したファッションセンス
NEWSポストセブン