国内

二階氏の「女性が尊敬しています」発言に見る無反省と不誠実

二階俊博・幹事長らの3人組はどう動く?(写真/共同通信社)

使い慣れない言葉を使ったばかりに…(写真/共同通信社)

 臨床心理士・経営心理コンサルタントの岡村美奈さんが、気になったニュースや著名人をピックアップ。心理士の視点から、今起きている出来事の背景や人々の心理状態を分析する。今回は、東京オリンピック・パラリンピック大会組織委員会の森喜朗会長の女性蔑視発言を擁護したことで、火に油を注いでいる二階俊博自民党幹事長について。

 * * *
 自民党の長老たちが、東京オリンピック・パラリンピックに大きな逆風を吹かせている。1人は女性蔑視発言で謝罪会見を行ったものの、国内外から批判が集まっている東京オリンピック・パラリンピック大会組織委員会の森喜朗会長。もう1人は、森氏を擁護するように「発言を撤回したからいい」とのたまった二階幹事長だ。

 森氏の発言や謝罪会見を受け、五輪ボランティアが相次ぎ辞退しているが、それについても二階氏は、「瞬間的に『退かせていただきたいとか、協力できない』とかおっしゃったと思うが」、「落ち着いて静かになったら、考えも変わるだろう」と見解を述べた。さらに今後の対応について、「どうしてもお辞めになりたいということだったら、新たなボランティアを募集せざるを得ない」とも発言した。

“世間が落ち着いて静かになるのを待つ”という姿勢は、安倍政権以降、問題が噴出する度に見られた自民党の得意技みたいなものだろう。“瞬間的に”という表現を使ったことからも、この騒ぎは一過性のもので、どうせ時間が経てば忘れてしまうと認識していることがわかる。自分たちが今ここで変わる必要性は全く感じておらず、変えなければならないのは新しいボランティアという認識なのだ。

 森氏の問題発言にも「撤回したということで、それでいいんじゃないか」と述べ、進退については「冷静に見守るのが一番いい」と現状維持のスタンスで、当然のように「現状維持バイアス」が働いている。現状維持バイアスとは、言葉の通り「このままでいい」という保守的な傾向のこと。変化することに心理的な抵抗があり、現状に固執する傾向がある。ここに権威や名誉、利権などが絡んでくれば、現状維持バイアスも強固なものになるだろう。

関連キーワード

関連記事

トピックス

元通訳の水谷氏には追起訴の可能性も出てきた
【明らかになった水原一平容疑者の手口】大谷翔平の口座を第三者の目が及ばないように工作か 仲介した仕事でのピンハネ疑惑も
女性セブン
文房具店「Paper Plant」内で取材を受けてくれたフリーディアさん
《タレント・元こずえ鈴が華麗なる転身》LA在住「ドジャー・スタジアム」近隣でショップ経営「大谷選手の入団後はお客さんがたくさん来るようになりました」
NEWSポストセブン
日本テレビの杉野真実アナウンサー(本人のインスタグラムより)
【凄いリップサービス】森喜朗元総理が日テレ人気女子アナの結婚披露宴で大放言「ずいぶん政治家も紹介した」
NEWSポストセブン
歌う中森明菜
《独占告白》中森明菜と“36年絶縁”の実兄が語る「家族断絶」とエール、「いまこそ伝えたいことが山ほどある」
女性セブン
伊勢ヶ濱部屋に転籍した元白鵬の宮城野親方
元・白鵬の宮城野部屋を伊勢ヶ濱部屋が“吸収”で何が起きる? 二子山部屋の元おかみ・藤田紀子さんが語る「ちゃんこ」「力士が寝る場所」の意外な変化
NEWSポストセブン
大谷翔平と妻の真美子さん(時事通信フォト、ドジャースのインスタグラムより)
《真美子さんの献身》大谷翔平が進めていた「水原離れ」 描いていた“新生活”と変化したファッションセンス
NEWSポストセブン
羽生結弦の元妻・末延麻裕子がテレビ出演
《離婚後初めて》羽生結弦の元妻・末延麻裕子さんがTV生出演 饒舌なトークを披露も唯一口を閉ざした話題
女性セブン
古手川祐子
《独占》事実上の“引退状態”にある古手川祐子、娘が語る“意外な今”「気力も体力も衰えてしまったみたいで…」
女性セブン
今年の1月に50歳を迎えた高橋由美子
《高橋由美子が“抱えられて大泥酔”した歌舞伎町の夜》元正統派アイドルがしなだれ「はしご酒場放浪11時間」介抱する男
NEWSポストセブン
ドジャース・大谷翔平選手、元通訳の水原一平容疑者
《真美子さんを守る》水原一平氏の“最後の悪あがき”を拒否した大谷翔平 直前に見せていた「ホテルでの覚悟溢れる行動」
NEWSポストセブン
STAP細胞騒動から10年
【全文公開】STAP細胞騒動の小保方晴子さん、昨年ひそかに結婚していた お相手は同い年の「最大の理解者」
女性セブン
逮捕された十枝内容疑者
《青森県七戸町で死体遺棄》愛車は「赤いチェイサー」逮捕の運送会社代表、親戚で愛人関係にある女性らと元従業員を……近隣住民が感じた「殺意」
NEWSポストセブン