国内

「禁断愛」描く作品が人々を魅了する理由 炎上しやすい時代も影響

(写真/時事通信社)

東出昌大と唐田えりかの不倫は世間の大バッシングを呼んだ(写真/時事通信社)

 いつの時代も世の人々を虜にするのが、“禁断愛”を描く作品だ。古くは『ロミオとジュリエット』、そして『冬のソナタ』を経たいま、『愛の不時着』が大ブームとなっている。では、どうして「禁断の愛」に惹かれてしまうのか? 作家・川奈まり子さんはこう話す。

「恋愛は隕石に当たるようなもの。避けられるものじゃないけれど、実際には、禁断愛というドラマチックな愛に溺れることなく、多くの人は平凡な恋愛を経て結婚生活を送っています。誰も不時着してこないし、その辺に太宰治は歩いてない。平凡でつまらない日常が前提にあるからこそ、禁断愛の物語が輝くのだと思います」

 時代の移り変わりによって、いまは“御法度”と呼ばれる恋愛に社会の目が厳しくなったと言うのは、漫画家でコラムニストの辛酸なめ子さん。

「いまは芸能人が不倫をするだけで炎上したりバッシングを受ける時代。他人の目が厳しくなっていて、一般人でもネットやSNSで拡散されたりと、禁断の愛に身を投じにくい世の中になっていると思います。周囲を翻弄する激しい恋愛はリスキーすぎてハマることができないけれど、映画やドラマなどでなら疑似体験ができるから人気があるのではないでしょうか」

 たとえば、昨年1月に発覚した東出昌大(33才)と唐田えりか(23才)との不倫騒動のケース。謝罪会見で「(妻の)杏(34才)と唐田のどちらが好きか?」と問われた東出は「妻を傷つけることになるのでお答えできません」と答え、大バッシングを受けた。その後、唐田は出演ドラマを自粛降板。東出は杏と同年8月に離婚した。

 禁断の愛はすべてを失い、犠牲を伴う。かつて身を焦がした初々しい思い出を振り返ってみることも大切だ。

【プロフィール】
川奈まり子(かわな・まりこ)/作家。東京生まれ。女子美術大学短期大学部グラフィックデザイン教室卒業。『東京をんな語り』(KADOKAWA・2月25日発売)では、「坂田山心中」についても言及している。

辛酸なめ子(しんさん・なめこ)/漫画家、コラムニスト。東京生まれ、埼玉育ち。武蔵野美術大学短期大学部デザイン科グラフィックデザイン専攻卒業。『女子校礼讃』(中公新書ラクレ)が好評発売中。

取材・文/加藤みのり

※女性セブン2021年2月18・25日号

関連キーワード

関連記事

トピックス

山下市郎容疑者(41)はなぜ凶行に走ったのか。その背景には男の”暴力性”や”執着心”があった
「あいつは俺の推し。あんな女、ほかにはいない」山下市郎容疑者の被害者への“ガチ恋”が強烈な殺意に変わった背景〈キレ癖、暴力性、執着心〉【浜松市ガールズバー刺殺】
NEWSポストセブン
英国の大学に通う中国人の留学生が性的暴行の罪で有罪に
「意識が朦朧とした女性が『STOP(やめて)』と抵抗して…」陪審員が涙した“英国史上最悪のレイプ犯の証拠動画”の存在《中国人留学生被告に終身刑言い渡し》
NEWSポストセブン
早朝のJR埼京線で事件は起きた(イメージ、時事通信フォト)
《「歌舞伎町弁護士」に切実訴え》早朝のJR埼京線で「痴漢なんてやっていません」一貫して否認する依頼者…警察官が冷たく言い放った一言
NEWSポストセブン
降谷健志の不倫離婚から1年半
《降谷健志の不倫離婚から1年半の現在》MEGUMIが「古谷姓」を名乗り続ける理由、「役者の仕事が無く悩んでいた時期に…」グラドルからブルーリボン女優への転身
NEWSポストセブン
橋本環奈と中川大志が結婚へ
《橋本環奈と中川大志が結婚へ》破局説流れるなかでのプロポーズに「涙のYES」 “3億円マンション”で育んだ居心地の良い暮らし
NEWSポストセブン
10年に及ぶ山口組分裂抗争は終結したが…(司忍組長。時事通信フォト)
【全国のヤクザが司忍組長に暑中見舞い】六代目山口組が進める「平和共存外交」の全貌 抗争終結宣言も駅には多数の警官が厳重警戒
NEWSポストセブン
遠野なぎこ(本人のインスタグラムより)
《前所属事務所代表も困惑》遠野なぎこの安否がわからない…「親族にも電話が繋がらない」「警察から連絡はない」遺体が発見された部屋は「近いうちに特殊清掃が入る予定」
NEWSポストセブン
放送作家でコラムニストの山田美保子さんが、さまざまな障壁を乗り越えてきた女性たちについて綴る
《佐々木希が渡部建の騒動への思いをストレートに吐露》安達祐実、梅宮アンナ、加藤綾菜…いろいろあっても流されず、自分で選択してきた女性たちの強さ
女性セブン
(イメージ、GFdays/イメージマート)
《「歌舞伎町弁護士」が見た恐怖事例》「1億5000万円を食い物に」地主の息子がガールズバーで盛られた「睡眠薬入りカクテル」
NEWSポストセブン
和久井学被告が抱えていた恐ろしいほどの“復讐心”
【新宿タワマン殺人】和久井被告(52)「バイアグラと催涙スプレーを用意していた…」キャバクラ店経営の被害女性をメッタ刺しにした“悪質な復讐心”【求刑懲役17年】
NEWSポストセブン
幼少の頃から、愛子さまにとって「世界平和」は身近で壮大な願い(2025年6月、沖縄県・那覇市。撮影/JMPA)
《愛子さまが11月にご訪問》ラオスでの日本人男性による児童買春について現地日本大使館が厳しく警告「日本警察は積極的な事件化に努めている」 
女性セブン
女優・遠野なぎこの自宅マンションから身元不明の遺体が見つかってから1週間が経った(右・ブログより)
《上の部屋からロープが垂れ下がり…》遠野なぎこ、マンション住民が証言「近日中に特殊清掃が入る」遺体発見現場のポストは“パンパン”のまま 1週間経つも身元が発表されない理由
NEWSポストセブン