芸能

主演作で“迫力”見せた岩田剛典、「ハマリ役」のイメージを脱却

aa

役者としての存在感が増す岩田剛典

 岩田剛典(31才)が主演を務める映画『名も無き世界のエンドロール』が、1月29日より公開中だ。TwitterなどのSNSでは「壮大すぎるプロポーズ大作戦が衝撃的」「感想を語るのに140字では足りない」といった書き込みが多く見られ、鑑賞した多くの人が高い満足度を得ている模様だ。映画や演劇に詳しいライターの折田侑駿さんも、「スリリングな展開や俳優たちの好演に、鑑賞後はしばらく映画の余韻から抜け出せなかったほど」と語る。

 * * *
 初日からの3日間で約5万6800人を動員し、約7600万円を売り上げ、映画ランキングは初登場6位とまずますのスタートを切った映画『名も無き世界のエンドロール』。本作は小説家・行成薫(41才)による同名デビュー作を、『ストロベリーナイト』(2013年)や『累-かさね-』(2018年)などの佐藤祐市監督(58才)が映画化したもの。主演に岩田剛典、共演に新田真剣佑(24才)を迎えたほか、山田杏奈(20才)と中村アン(33才)がダブルヒロインに、さらには柄本明(72才)らが主要な役どころに配されている。

 SNSでは、「何を言ってもネタバレになりそう」といった言葉が散見されるだけあり、たしかに“仕掛け”だらけの作品だ。何気ない一言が、これから鑑賞する人の本作に対する“衝撃”を軽減させてしまうかもしれないので注意が要る。物語のあらすじはこうだ。複雑な家庭環境で育ったキダ(岩田)とマコト(新田)とヨッチ(山田)の3人は強い絆で結ばれていたが、ある日突然、ヨッチが姿を消してしまう。残された2人の元に、政治家令嬢であり芸能界で活躍するリサ(中村)が現れ、マコトは彼女に対して異常なまでの興味を示す。やがて、住む世界の違うリサに相応しい男になるため、死に物狂いで金を稼ぐマコトの執念とその理由を知ったキダは、親友のために命懸けで協力することになる。

 本作の魅力の一つに、“愛する人のため”に奮闘するマコトとキダの熱い友情がある。マコトは“会社経営者”として、キダは裏社会の“交渉屋”として、表と裏の社会でそれぞれにのし上がっていく。2人のコンビはまさに表裏一体で、10年という歳月をかけて、日本中を巻き込むようなプロポーズ大作戦を遂行しようとするのである。物語は非常に大胆で驚きの連続なのだが、その一方で日向にいるはずのマコトが時おり見せる表情の陰りや、目的のためならば手段を選ばない裏社会でのキダの暗躍ぶりは、繊細で常に観客を不安にさせ、彼らから片時も目が離せないという気持ちにさせる。

 予告編の「ラスト20分の真実に、あなたは心奪われる」という“どんでん返し”を予期させる謳い文句ばかりに注目してしまいがちだが、本作はラブストーリーであり、サスペンスであり、ヒューマンドラマでもある。終始異なるジャンルを横断しながら、物語が展開していくのだ。これを主演として牽引し、体現しているのが岩田である。

関連記事

トピックス

今季から選手活動を休止することを発表したカーリング女子の本橋麻里(Xより)
《日本が変わってきてますね》ロコ・ソラーレ本橋麻里氏がSNSで参院選投票を促す理由 講演する機会が増えて…支持政党を「推し」と呼ぶ若者にも見解
NEWSポストセブン
白石隆浩死刑囚
《女性を家に連れ込むのが得意》座間9人殺害・白石死刑囚が明かしていた「金を奪って強引な性行為をしてから殺害」のスリル…あまりにも身勝手な主張【死刑執行】
NEWSポストセブン
失言後に記者会見を開いた自民党の鶴保庸介氏(時事通信フォト)
「運のいいことに…」「卒業証書チラ見せ」…失言や騒動で謝罪した政治家たちの実例に学ぶ“やっちゃいけない謝り方”
NEWSポストセブン
球種構成に明らかな変化が(時事通信フォト)
大谷翔平の前半戦の投球「直球が6割超」で見えた“最強の進化”、しかしメジャーでは“フォーシームが決め球”の選手はおらず、組み立てを試行錯誤している段階か
週刊ポスト
参議院選挙に向けてある動きが起こっている(時事通信フォト)
《“参政党ブーム”で割れる歌舞伎町》「俺は彼らに賭けますよ」(ホスト)vs.「トー横の希望と参政党は真逆の存在」(トー横キッズ)取材で見えた若者のリアルな政治意識とは
NEWSポストセブン
ベビーシッターに加えてチャイルドマインダーの資格も取得(横澤夏子公式インスタグラムより)
芸人・横澤夏子の「婚活」で学んだ“ママの人間関係構築術”「スーパー&パークを話のタネに」「LINE IDは減るもんじゃない」
NEWSポストセブン
LINEヤフー現役社員の木村絵里子さん
LINEヤフー現役社員がグラビア挑戦で美しいカラダを披露「上司や同僚も応援してくれています」
NEWSポストセブン
モンゴル滞在を終えて帰国された雅子さま(撮影/JMPA)
雅子さま、戦後80年の“かつてないほどの公務の連続”で体調は極限に近い状態か 夏の3度の静養に愛子さまが同行、スケジュールは美智子さまへの配慮も 
女性セブン
場所前には苦悩も明かしていた新横綱・大の里
新横綱・大の里、場所前に明かしていた苦悩と覚悟 苦手の名古屋場所は「唯一無二の横綱」への起点場所となるか
週刊ポスト
医療的ケア児の娘を殺害した母親の公判が行われた(左はイメージ/Getty、右は福岡地裁)
24時間介護が必要な「医療的ケア児の娘」を殺害…無理心中を計った母親の“心の線”を切った「夫の何気ない言葉」【判決・執行猶予付き懲役3年】
NEWSポストセブン
近況について語った渡邊渚さん(撮影/西條彰仁)
渡邊渚さんが綴る自身の「健康状態」の変化 PTSD発症から2年が経ち「生きることを選択できるようになってきた」
NEWSポストセブン
昨年12月23日、福島県喜多方市の山間部にある民家にクマが出現した(写真はイメージです)
《またもクレーム殺到》「クマを殺すな」「クマがいる土地に人間が住んでるんだ!」ヒグマ駆除後に北海道の役場に電話相次ぐ…猟友会は「ヒグマの肉食化が進んでいる」と警鐘
NEWSポストセブン