アプリによって変身願望が叶うことに気づいてしまった(イメージ)
都内在住の証券会社社員・野口弘太郎さん(仮名・40代)は、こうした変身アプリを使ううちに、とんでもない「沼」にハマってしまった。
「女性のような見た目になれるアプリがあると聞いて試したところ、自分の顔が予想以上に自分好みの顔に変身したんです。なんというか、こんな女性がいたら絶対に付き合いたい、と思うような見た目で」(野口さん)
最初は、自身の顔写真を撮影し単純に女性化してみた。ところが、そこには女装した気持ち悪いおじさんしか現れなかったので、もう少しどうにかしたいと工夫することにした。そのためにまず、自身の顔写真に「子供のような見た目になる」もしくは「若く見える」フィルターをかけた。その写真に「女性化」フィルターをかけることで、どことなく自分に似た、若くて美しい女性の写真が出来上がり、野口さんは感激した。普段は自分の顔など「ブサイクでモテなそう」と卑下していたが、自身の顔写真を何枚も撮影し女性化させていくほどハマってしまったのである。そして、沼にハマったきっかけというのが、冗談のような顛末だった。
「胸元が伸び切ったTシャツをきて撮影した写真を女性化したところ、なんというか、こう……セクシーな写真が出来上がりましてね。もし服を着ないで撮ってみたらどうなるのか、という興味に勝てませんでした」(野口さん)
こうしたアプリでは、体型や肌の質感なども自由自在に加工できるため、中年太り気味だった野口さんの体型でも、モデルのような女性に変身できるのである。顔は自分好み、そしてポーズや衣装まで自分で好きなように出来てしまうため、画面の中に自分の言うことをなんでも聞いてくれる女性がいるような気分になったという野口さんだが、一つだけ気に入らないこともあった。
「裸で撮っても、体が女性化しないんです。それならということで、通販で女性用の下着、服、靴などを買い、理想の女性(の写真)に近づけるよう、思考をしました」(野口さん)
側から見ていれば「女装が趣味」の中年男性に他ならず、もちろん他人に迷惑がかからぬようこっそりやっていれば良かったのだが、思わぬ形でバレたという。
「通販サイトのアカウントが妻と共用でしたので、女性用の下着を買っていたことがすぐにバレまして……。浮気を疑った妻は私に、スマホを見せるよう言ってきたのですが、そこにも女性の写真がたくさんある。当然、恥を忍んで『これは僕だ』と言いましたが、信じてくれず。目の前で実践したところやっと信じてもらえましたが、僕が女性用下着を着用して撮っていたこともやはりバレてしまい、まだ浮気の方が良かったと泣かれ、夫婦の寝室も別にされました。どう謝っていいかもわかりません」(野口さん)