星野さんのブログを見たであろうSNSユーザーらが、ネット掲示板に星野さんのことについて、実年齢はいくつだとか、加工や整形をしすぎている、と書き込みをすることもあり、星野さんはそれらをチェックしていると言う。辛辣な指摘、罵詈雑言が書き込まれることも少なくないが、星野さんは気にしない。
「人間の顔はあくまでも『ガワ』で、本質的な部分は脳ですよね? でも脳を見て美しいとか醜いとか、誰も判断しません。リアル世界での自分の演出には限界がありますが、SNS上なら、自分の頭で考えた美しさや美意識を表現できる。SNSにあげる私の写真は、作品みたいなものかもしれません」
星野さんのような考え方、生き方に否定的な人は少なくないだろうし、話を聞いた筆者もまた、星野さんに抱いていた違和感が増大したような複雑な気分であることを正直に告白したい。ただ、星野さんなりのやり方や考え方は尊重されるべきで、誰彼から笑われるような世の中であってはならないのも当然だ。
頭でどう考えていようと現実の行動に移さなければ人から評価されないことと同様に、人の思いと外見は、必ずしも一致しているわけではない。むしろ現代では、離反していることの方が多い印象すらある。そんな現代にあって星野さんのように「仮想自身」を作り、そこで理想の自我を実現させながら世の中とコミュニケーションを図っていくと言う方法は、新しい一つの「手段」なのかもしれない。