もっと若い層に見てもらうのが課題?
もともと若年層の心をつかむことが得意
つまり、中高年層の視聴者に向けた企画が多かった林さんの冠番組は、「世帯視聴率が下がったから」ではなく、「もっと若い年齢層に見てもらう」ためのテコ入れが必要ということ。タレントである以前に予備校講師である林さんは、これまで東大出身らしい知識と教養を武器にしてきました。しかし、それらは若年層に「説教くさい」と思われてしまうリスクと紙一重であり、MCとしての生き残りを賭けたキャラクターやトークのリニューアルが求められているのでしょう。
ただ、現在は「完全にリニューアルした」というより、「トライアルとして模索している」という段階に過ぎず、どこに着地していくのかわかりません。また、もしこれ以上の不振に陥ってしまったら、次以降の改編で番組が終了する可能性もあるでしょう。
もともと林さんは豊富な知識を持ち、頭の回転が速いだけでなく、学生を相手に仕事をし続けてきた人。現在のテレビ局やスポンサーが求める若年層の心をつかむことに長けた人だけに、このままフェードアウトしていくとは思えず、冠番組のテコ入れ策にどう対処していくのか楽しみです。
【木村隆志】
コラムニスト、芸能・テレビ・ドラマ解説者。雑誌やウェブに月30本前後のコラムを提供するほか、『週刊フジテレビ批評』などの批評番組に出演し、番組への情報提供も行っている。タレント専門インタビュアーや人間関係コンサルタントとしても活動。著書に『トップ・インタビュアーの「聴き技」84』『話しかけなくていい!会話術』『独身40男の歩き方』など。