ライフ

「油=美容の大敵」は間違い “避けるべき油”“摂るべき油”が存在

身体に良い油と悪い油を知ろう(写真/GettyImages)

体に良い油と悪い油を知ろう(写真/GettyImages)

「摂りすぎるとニキビができる」など、油は美容の大敵とされてきた。しかし実際は、避けるべき油と摂るべき油があるようだ。徳島大学大学院教授の佐田政隆さんはいう。

「美容によくないのは、マーガリンやショートニングなどに多いトランス脂肪酸。炎症を起こし、肌がガサガサになります。“カロリーゼロ”“植物由来”などと書いてあっても、トランス脂肪酸の量がわからないものは避けた方がいい」(佐田さん)

 いまでは企業努力もあって、国内でもトランス脂肪酸の含有量が少ないものも増えてきているので、よく吟味したい。

 積極的に摂りたいのは、最近店頭で見かけるようになってきたくるみ油(ウォールナッツオイル)と、中華料理によく使われるピーナッツ油だ。慶應義塾大学医学部教授の井上浩義さんが言う。

「くるみ油はアーモンドオイル以上にポリフェノールが多く、血管や肌の若返りが期待できる。ピーナッツ油は安価で、ビタミンEや、ヒトの皮脂に近い組成で肌の乾燥を防ぎながら新陳代謝を高めるオレイン酸も豊富。いずれもオメガ9系なので熱に強い」(井上さん・以下同)

 ヘアケアに使う椿油は、食用することでも高い美容効果が得られる。

「食用の椿油には、オレイン酸が90%も含まれています。やや高価ですが、髪用のものとは香りも違い、じゃがいものホイル焼きなどにかけるととても香り高く、おいしく食べられます」

 シミやしわが気になるなら、米油もおすすめだ。

「“スーパービタミンE”と呼ばれる抗酸化物質の『トコトリエノール』が入っていて、肌を老化させる酸化ストレス、活性酸素を強力に除去します。熱に強いので、揚げ油としても使えます」(佐田さん)

 使い慣れたごま油にも、強力な抗酸化物質が含まれている。特有の「ゴマリグナン」という物質が、皮膚を活性化させるほか、血行や血流をよくする。ゴマリグナンの一種であるセサミンには、肌のくすみの原因になるアルデヒドを分解する作用もある。

 オリーブオイルの最高峰「エクストラバージン」は、肌にいいオレイン酸の含有量も多い。管理栄養士の麻生れいみさんがいう。

「『オレオカンタール』などのポリフェノールは高い抗炎症作用を持っており、アンチエイジングに最適です。空腹時にスプーン1〜2杯のオリーブオイルを摂るのがおすすめです」(麻生さん)

※女性セブン2021年3月18日号

関連記事

トピックス

万博で身につけた”天然うるし珠イヤリング“(2025年8月23日、撮影/JMPA)
《“佳子さま売れ”のなぜ?》2990円ニット、5500円イヤリング…プチプラで華やかに見せるファッションリーダーぶり
NEWSポストセブン
次の首相の後任はどうなるのか(時事通信フォト)
《自民党総裁有力候補に党内から不安》高市早苗氏は「右過ぎて参政党と連立なんてことも言い出しかねない」、小泉進次郎氏は「中身の薄さはいかんともしがたい」の評
NEWSポストセブン
阪神の中野拓夢(時事通信フォト)
《阪神優勝の立役者》選手会長・中野拓夢を献身的に支える“3歳年上のインスタグラマー妻”が貫く「徹底した配慮」
NEWSポストセブン
9年の濃厚な女優人生を駆け抜けた夏目雅子さん(撮影/田川清美)
《没後40年・夏目雅子さんを偲ぶ》永遠の「原石」として記憶に刻まれた女優 『瀬戸内少年野球団』での天真爛漫さは「技巧では決して表現できない境地」
週刊ポスト
朝比ライオさん
《マルチ2世家族の壮絶な実態》「母は姉の制服を切り刻み…」「包丁を手に『アンタを殺して私も死ぬ』と」京大合格も就職も母の“アップへの成果報告”に利用された
NEWSポストセブン
チームには多くの不安材料が
《大谷翔平のポストシーズンに不安材料》ドジャースで深刻な「セットアッパー&クローザー不足」、大谷をクローザーで起用するプランもあるか
週刊ポスト
ブリトニー・スピアーズ(時事通信フォト)
《ブリトニー・スピアーズの現在》“スケ感がスゴい”レオタード姿を公開…腰をくねらせ胸元をさすって踊る様子に「誰か助けてあげられないか?」とファンが心配 
NEWSポストセブン
政権の命運を握る存在に(時事通信フォト)
《岸田文雄・前首相の奸計》「加藤の乱」から学んだ倒閣運動 石破降ろしの汚れ役は旧安倍派や麻生派にやらせ、自らはキャスティングボートを握った
週刊ポスト
2013年に結婚した北島康介と音楽ユニット「girl next door」の千紗
《不倫報道で沈黙続ける北島康介》元ボーカル妻が過ごす「いつも通りの日常」SNSで垣間見えた“現在の夫婦関係”
NEWSポストセブン
秋篠宮家の長男・悠仁さまの成年式が行われた(2025年9月6日、写真/宮内庁提供)
《凜々しきお姿》成年式に臨まれた悠仁さま 筑波大では「やどかり祭」でご友人とベビーカステラを販売、自転車で構内を移動する充実したキャンパスライフ
NEWSポストセブン
自身のYouTubeで新居のルームツアー動画を公開した板野友美(YouTubeより)
《超高級バッグ90個ズラリ!》板野友美「家賃110万円マンション」「エルメス、シャネル」超絶な財力の源泉となった“経営するブランドのパワー” 専門家は「20~30代の支持」と指摘
NEWSポストセブン
志村けんさんが語っていた旅館への想い
《5年間空き家だった志村けんさんの豪邸が更地に》大手不動産会社に売却された土地の今後…実兄は「遺品は愛用していた帽子を持って帰っただけ」
NEWSポストセブン