皮膚科の医師だった佐藤容疑者
「教育研究機関として社会の信頼を著しく損ねることとなり、深く心よりお詫び申し上げます」。1月28日、記者会見を開いた東京大学の藤井輝夫総長は沈痛な面持ちでこう述べると、深々と30秒近く頭を下げた。大学トップによる苦悶の会見から遡ること4日、1月24日に警視庁は収賄容疑で東大大学院医学系研究科教授の佐藤伸一容疑者(62才)を逮捕。
さらに佐藤容疑者の元部下で同大の元特任准教授を収賄容疑で、また、一般社団法人「日本化粧品協会」の代表理事A氏を贈賄容疑でそれぞれ書類送検した。
東大は26日に佐藤容疑者を懲戒解雇。冒頭の会見はこの措置を受けてのものだった。
「事件の発端は2022年頃、大麻草由来の成分・カンナビジオール(CBD)の有効性を証明し、ビジネスにつなげたいと考えたA氏が東大側に接触したことでした。CBDはリラックス効果やアンチエイジングに効き目があるとされ、A氏は東大が設ける民間との共同研究の仕組み『社会連携講座』を利用して、研究成果を商品開発に生かそうと考えたのです」(捜査関係者)
2023年には、念願叶って東大皮膚科との研究開発がスタート。しかし、研究が順調に進む一方で、佐藤容疑者とA氏の関係は徐々に歪んでいった。
「東大の権威や研究ノウハウから得られる成果を最大限利用したいA氏の足元を見るように、佐藤容疑者らは、飲食費だけでなく、銀座の高級クラブや都内の性風俗店での接待を繰り返し要求するようになりました。
A氏は『(講座において)民間団体は東大に研究してもらう立場。佐藤容疑者らの機嫌を損ねないためにも接待を求められるままに続けていた』と話しています」(前出・捜査関係者)
国立大学法人の東大職員は「みなし公務員」であり、こうした接待は贈収賄の対象となる。昨年から警視庁が本格的に捜査を進めており、佐藤容疑者の逮捕は時間の問題だった。
「卑劣な要求を繰り返していた佐藤容疑者ですが、その経歴はピカピカ。東大医学部を卒業後、アメリカの大学に留学し、長く皮膚科の権威として知られていました。学内でも一目置かれる存在で、共同研究については、講座部長として講座開設の可否に非常に大きな権限を有していた」(東大関係者)
本誌・女性セブンはそんな佐藤容疑者が興じていた「ハレンチ接待」の現場写真を入手。女性医師やセクシーなダンサーを前に目尻を下げる様子は、医学界の権威の二面性を映し出す。
「普段は仏頂面で、思い通りにいかないとすぐに機嫌が悪くなるタイプ。しかし、A氏との接待の酒席では、Tバック姿のダンサーの胸元にチップをねじ込んだり、後輩の女性医師らに囲まれて、満面の笑みでテキーラをあおったり、いま思い出しても、年甲斐もない異様なはしゃぎ方でした……」(前出・東大関係者)
1年半の間に約1500万円を接待に費やしたA氏だったが、佐藤容疑者との関係はまもなく決裂。するとA氏は、佐藤容疑者の非道を裁判やマスコミへの取材で訴えるようになった。
「佐藤容疑者らが収賄罪に問われる一方で、告発したA氏も贈賄の罪に問われる可能性は充分にありました。それでも声を上げる決意を固めるほど、彼らの過剰な要求に耐えかねていたのでしょう」(前出・捜査関係者)
東大の看板に泥を塗る前代未聞の醜聞となったこの事件。捜査の展開次第では、佐藤容疑者には実刑の可能性もあるという。
※女性セブン2026年2月19・26日号
