家屋倒壊や津波、火災などの一次被害が収まっても、被害はまだまだ終わらない。堤防が壊れて水没した地域では、家の屋根やビルの高層階に避難した人たちが助けを求めている。だがその人数が膨大すぎて、救命ボートは本当に来てくれるのか。声を上げるのに疲れきった人々に絶望の表情が浮かび始める。
「浸水被害が大きすぎると排水作業がスムーズに進まないので、かなり長期間にわたる可能性があります。避難場所から抜け出したくても、海抜0m地帯では陸路での移動が難しく、船やヘリなどでの救助を待つしかありません」(前出・川崎さん)
地下にある変電施設がことごとく水没し、送電線も甚大な被害を受けているため、電気の復旧も思うように進まない。タワーマンションでは、住民が水や食糧などの救援物資を受け取るために、延々と非常階段を上り下りする日々がいつ果てるともなく続いた。
「交通網の被害も深刻です。東海道新幹線も、東名と名神の高速道路も地盤が低いところを通っているので、甚大な被害を受ける。水が引いた後も復旧には何か月もかかるでしょう」(前出・高橋さん)
※女性セブン2021年3月25日号