ライフ

ステイホームでゴキブリが急増中 駆除依頼は前年比238%に

巣ごもり生活でゴキブリが急増(イラスト/カツヤマケイコ)

暖房が効いた部屋はゴキブリにとっても快適な環境(イラスト/カツヤマケイコ)

 コロナ禍が、もう1つの禍を招いている。家族が寝静まった深夜。東京都文京区の閑静な住宅街に住むAさんは嫌な予感に苛まれていた。誰もいないはずのキッチンからカサカサと音がする。まさか……でもアイツが活発になるのは暖かくなってから。冬の名残のあるこの時期はまだ早いのでは?

 頭の中ではそう否定しても、耳に残るカサカサ音。朝になってキッチンに足を踏み入れてもなんだか憂鬱だ。ドラッグストアへ殺虫剤を買いに行くと、店員が「最近は、殺虫剤が効かないタイプもいるんスよね」と怖いことを言う。Aさんの予感は的中していた。寒さに弱いアイツ=ゴキブリが活発に動いていたのだ。

 虫ケア用品メーカー最大手のアース製薬に、ゴキブリの生態を知り尽くす女性がいる。実験用に害虫を育て管理する飼育員・有吉立さんが、こう話す。

「通常、ゴキブリは寒さに弱いため、冬の間は活動量が低下。おとなしく春を待つ習性なのですが、今年はコロナ禍でわれわれもリモートワークが増え、外出の自粛もあり、在宅時間が増えましたよね。その間、自宅は暖房や加湿器で、室温25℃前後、湿度は40〜50%にキープされ、人はもちろんゴキブリにとっても快適な環境が続いてしまった」

 自宅での食事が増えたことで生ゴミも多く出る。ゴキブリたちも“食事”に困らない。まさに彼らにだけ“春が来た”状態なのだ。

 この状況は数字にも表れている。害虫駆除サービスなど生活に関する出張・訪問サービスを提供する「くらしのマーケット」では、昨夏1か月間のゴキブリ駆除依頼が前年同月比で238%も増加したという。都内のある駆除業者はこう語る。

「夏に限った話じゃありませんよ。ゴキブリ駆除バブルは続いています。この冬もやつらは“休眠”することなく活発に動いていますから、駆除の依頼は安定してあります。今後、春になるにつれ、ますますやつらの姿を見ることになる。ゴキブリの恐怖はこれからが本番でしょう」

 害虫駆除業者を困らせるゴキブリも増えている。駆除業者フリーマンの福永隆さんが言う。

「殺虫剤などが効かないゴキブリが増えているんです。ゴキブリは学習・進化するので、だいたい全体の3%くらいは毒素が効きません。彼らにとってすみやすい環境の変化になり、さらに生命力を上げ、毒素が効かない強化型と呼ばれるタイプが増える可能性も否定できませんよ」

※女性セブン2021年3月25日号

関連記事

トピックス

趣里(左)の結婚発表に沈黙を貫く水谷豊(右=Getty Images)
趣里の結婚発表に沈黙を貫く水谷豊、父と娘の“絶妙な距離感” 周囲が気を揉む水谷監督映画での「初共演」への影響
週刊ポスト
宮路拓馬・外務副大臣に“高額支出”の謎(時事通信フォト)
【スクープ】“石破首相の側近”宮路拓馬・外務副大臣が3年間で「地球24週分のガソリン代」を政治資金から支出 事務所は「政治活動にかかる経費」と主張
週刊ポスト
自身のYouTubeで新居のルームツアー動画を公開した板野友美(YouTubeより)
《超高級バッグ90個ズラリ!》板野友美「家賃110万円マンション」「エルメス、シャネル」超絶な財力の源泉となった“経営するブランドのパワー” 専門家は「20~30代の支持」と指摘
NEWSポストセブン
15人の大家族「うるしやま家」(公式HPより)
《ビッグダディと何が違う?》フジが深夜23時に“大家族モノ”を異例の6週連続放送 今、15人大家族「うるしやま家」が人気の背景 
NEWSポストセブン
高校ゴルフ界の名門・沖学園(福岡県博多区)の男子寮で起きた寮長による寮生らへの暴力行為が明らかになった(左上・HPより)
《お前ら今日中に殺すからな》ゴルフの名門・沖学園「解雇寮長の暴力事案」被害生徒の保護者らが告発、写真に残された“蹴り、殴打、首絞め”の傷跡と「仕置き部屋」の存在
NEWSポストセブン
濱田よしえ被告の凶行が明らかに(右は本人が2008年ごろ開設したHPより、現在削除済み、画像は一部編集部で加工しております)
「未成年の愛人を正常に戻すため、神のシステムを破壊する」占い師・濱田淑恵被告(63)が信者3人とともに入水自殺を決行した経緯【共謀した女性信者の公判で判明】
NEWSポストセブン
指定暴力団山口組総本部(時事通信フォト)
《外道の行い》六代目山口組が「特殊詐欺や闇バイト関与禁止」の厳守事項を通知した裏事情 ルールよりシノギを優先する現実“若いヤクザは仁義より金、任侠道は通じない”
NEWSポストセブン
志村けんさんが語っていた旅館への想い
《5年間空き家だった志村けんさんの豪邸が更地に》大手不動産会社に売却された土地の今後…実兄は「遺品は愛用していた帽子を持って帰っただけ」
NEWSポストセブン
自殺教唆の疑いで逮捕された濱田淑恵被告(62)
《信者の前で性交を見せつけ…》“自称・創造主”占い師の濱田淑恵被告(63)が男性信者2人に入水自殺を教唆、共謀した信者の裁判で明かされた「異様すぎる事件の経緯」
NEWSポストセブン
米インフルエンサー兼ラッパーのリル・テイ(Xより)
金髪ベビーフェイスの米インフルエンサー(18)が“一糸まとわぬ姿”公開で3時間で約1億5000万円の収益〈9時から5時まで働く女性は敗北者〉〈リルは金持ち、お前は泣き虫〉
NEWSポストセブン
「第42回全国高校生の手話によるスピーチコンテスト」に出席された佳子さま(時事通信フォト)
《ヘビロテする赤ワンピ》佳子さまファッションに「国産メーカーの売り上げに貢献しています」専門家が指摘
NEWSポストセブン
「週刊ポスト」本日発売! 岸田文雄が「闇将軍」になる亡国自民党ほか
「週刊ポスト」本日発売! 岸田文雄が「闇将軍」になる亡国自民党ほか
NEWSポストセブン